1番:拒絶の記憶 朽ち果てた この身は野辺の 一叢(ひとむら)の草 風が吹くたび 「あなめあなめ」と眼(まなこ)が痛む 生前の罪 美貌という名の 傲慢な盾で 貴方の真心を 踏みにじり 突き放した 重く響く 夜毎(よごと)の足音 あの榧(かや)の実の音は 私を責める鼓動 死してなお 貴方は私を離さない その執着の炎で 私の袖を焼き尽くす 2番:狂乱の再会 「通わせぬ」と 固く閉ざした 心の御簾(みす) けれど貴方の 幽霊(亡者)の姿は あまりに悲しく 私の衣を掴み 泣き崩れるその肩に 初めて触れた 氷のように冷たく 熱い指 「もう、お止(よ)しなさい」 共に迷った この百夜(ももよ)の闇 追いかける貴方も 逃げ続けた私も 同じ地獄を 彷徨う影だった サビ:和解 巡る 巡る 因果の糸を解(ほど)き 今は二人 仏の教えに 身を任せましょう 九十九の恨みも 最後の一夜で 赦(ゆる)しという名の 光に変わる ブリッジ:成仏 さらさらと 崩れてゆくのは 醜い執着 貴方の形相が 穏やかな 少年の日に戻る 暗い土の下 独りきりはもう終わり 手を取り合い 浄土の門を叩く ラスサビ:昇天 昇る 昇る 朝焼けの空の向こう 百夜を越えて ようやく貴方に 向き合えたから 二つの魂は ひとつの蓮(はす)へと 露となって 溶け合ってゆく アウトロ 市原の野に 風は止み 月は静かに 西へ沈む もう足音は 聞こえない ただ 安らかに……