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薄明の国で眠る星

V6

世界がまだ 夢の名前を覚えているうちに 君の声を ひとつだけ 夜へ隠そう 青い月を飲み込んだ 森は静かに息を止める 硝子の靴を脱ぎ捨てて 誰も知らない道をゆこう 十二時を越えた鐘は 昨日の続きを拒むけれど 消えてしまうものばかり どうしてこんなに綺麗なんだろう 朝と夜の境界で 僕らは名前を失くして それでもまだ この手のひらには 微かな温度が残ってる 薄明の国で 眠る星よ どうかまだ 瞳を閉じないで 忘却の風が 夜を攫っても 君の残響を 僕は覚えている 光に消える その瞬間まで 何度でも この歌を紡ごう さよならなんて 物語の終わりじゃない また夜が来れば 僕らはここで逢えるから 破れた頁の片隅に 誰かが残した小さな祈り 意味を失くした言葉さえ 拾い集めれば歌になる 楽園なんてなくてもいい 辿り着けないから美しい 遠回りした足跡も 星座みたいに繋いでしまおう もしも明日が 僕らのことを知らなくても この夜だけは 確かにここで 同じ光を見ていたから 薄明の国で 眠る星よ どうかまだ 瞳を閉じないで 静寂の海へ 声が沈んでも 君の残響を 僕は歌っている 朝焼けが夜を 罪のように消してゆくなら 最後の一秒まで 僕らだけの夢を見よう ……ねえ 夜が終わることを 悲しいと思うのは 夜が綺麗だった証拠なのかな それならきっと 忘れることさえ いつかは優しい物語になる 薄明の国で 眠る星よ 今度こそ その瞳を開いて 忘却の風を 追い越すように 君の残響を 空へ放とう 光に溶けて 姿が見えなくなったとしても 僕らが歌った夜は 誰にも消せない さよならの先に また新しい夜があるなら その最初の星を 君と見つけに行こう 世界がもう 夢の名前を忘れてしまっても この歌だけは 夜を覚えている

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