白い桜の綿毛の上を 青い小さな炎のように、 素早く軽やかに舞う 青い羽の蝶が飛んでいる あたり一面の空気は 黄金色の陽光の弦に満たされ、 蝶は震える羽で その弦をかすかに鳴らしている そして歌は波のように流れ出す。 それは春へ捧げる、 静かで澄みきった賛歌。 この歌を奏でているのは、 私の心なのだろうか。 それとも、 細い草を揺らす風のささやきなのか。 あるいは、 川辺に立つ高い葦が さらさらと鳴る音なのか。 その答えを知ることはできない。 理解することも、 見極めることもできない。 響き合い震え、鳴り渡る音が、 私から考える力を奪ってしまうから。 歌はあふれ、流れ続ける。 広く自由な世界へ向かって。 けれど、その歌を耳にするのは誰なのだろう。 ──おそらく、詩人ただ一人だけ。