
ララの病室にソルとアマンザがやってきた。 「こんにちは」 ソルが人間の言葉で挨拶した。 「こんにちは、お会い出来てうれしいです」 ララが挨拶を返した。 「すっかり元気になったんだね。よかった」 アマンザがララに声をかけた。 「はい、すっかり元気です。ありがとうございます」 『今日はね、巫女の印を作ったから、君に渡したくてきたんだよ』 アマンザが通訳した。ソルは手に金色に光る雷マークのネックレスを持っていた。ソルがララに近づこうとしたとき、 「少々おまちください」 ララが突然言い出したので、後ろの王子二人は驚いてララを見ていた。 「私、ソル様に打ち明けなければならないことがあるのです」 ソルがアマンザを見た。 『言いたいことがあるみたいだよ』 『なんだろう?』 「何かな?」 アマンザがララに聞いた。 「実は私……ガーベラ様が大好きなんです! シャレにならないくらい好きなんです。本当に大大大好きなんです。こんな私が雷の巫女になって本当にいいんでしょうか?」 男四人はぽかんとしていた。 ソルは意味がわからなかったので、アマンザに『彼女なんて言ってるの?』と聞いた。 「えーと、君は、ガーベラが好きってことなんだよね?」 アマンザが確認するように聞いた。 「はい!」 『彼女、ガーベラが好きなんだって、ガーベラが好きなのに君の巫女になってもいいのかなって言ってる』 『いいんじゃないの? 何か問題ある?』 『ないよね』 「僕らもお母さんが大好きだよ。何も問題はないよ」 アマンザが笑みを浮かべてララに言った。 「ありがとうございます」 ララはうれしそうである。 ソルは改めてララに近づいてネックレスを渡した。 「うれしいです。でんか、つけてくれますか?」 「おお、いいとも」 ランカンはネックレスをララの首の後ろでとめた。 「綺麗だな」 「ああ、よかったな」 王子二人はネックレスを眺めている。ソルは、ようやく巫女にネックレスを渡せたのでうれしそうだった。 アマンザの目にふとベッドサイドに置いてあるものが映り、そちらに近づいて行った。 『ソル、見て、お母さんだ』 『ほんとだ!』 それはアーロンが制作したガーベラの切り絵である。 『ステキだね』 『僕もほしいな』 『欲しいね』 絵画や彫刻はよく見るが、切り絵を見るのは二人は初めてだった。シンプルだが繊細で、芸術的である。 アマンザはララを見て、「僕らもこれがほしいな」と言った。 「残念ながらお店で売ってるものではないので、制作を依頼しましょう!」 ララが笑顔で言い出した。ララはこの切り絵をとても気に入っていたので、どうしてもあげられなかった。 「うん、お願いして。僕人間のお金はもってないから、これ二つと、お酒ひとたると交換でいいかな」 「もちろんです。本人も喜ぶと思います」 「よかった」 「え、あ」 「あの」 王子二人は戸惑って口を挟もうとしたが、話はトントン拍子に進み、「それじゃまた」とソルとアマンザはさよならの挨拶をした。

