「今度さ、うち来ない?」って 軽く言うから余計に その一言の裏側を 深読みしてしまう僕がいる 部屋着とか見れるのかな あんな事とかこんな事とか くだらない期待ばっかり 膨らんで止まらない 帰り際の「ほなまたね」が 今日はやけに意味深で 胸のドキドキだけが先に 君の部屋についてるみたい ソースと青のりの匂いに包まれて くだらない妄想は全部消えた 「ほら返すで!」って笑う君の声 恋ってこんな風に進むんだね 丸くならない僕の気持ちも 一緒に焼けたらいいのにな ふたりで作るこの時間が 答えみたいに美味しかった エプロン姿で準備してる 丸いくぼみのたこ焼き器を 「ほいどうぞ」って差し出す手が いつもより少し近くて 「そんな見てたら焦げるで」って 笑いながらひっくり返す 関西弁のリズムに乗って 僕のココロも弾けていく テレビも何もつけないまま ジュージューって音と香りで こんなに楽しくなるなんて 知らなかったよ今まで ソースと青のりがちょっと多すぎて 「かけすぎやろ!」って笑い合った 思ってたよりずっと普通で でもそれがすごく特別で 触れそうで触れられない距離も 少しずつ縮まっていく 恋ってこういう瞬間を ちゃんと覚えていくものなんだね もしも今日 何も起きなくても それでいいと思えたんだ 同じ味を「おいしいね」って 言い合えることが嬉しくて ソースと青のりの匂いの中で やっと本当の気持ちに気づいた 特別なことなんていらない 君と一緒のこの時間がいい 少しいびつな丸い未来も 君とならずっと笑っていける ソースと青のりみたいに 混ざりあっていけたらいい 帰り際の「ほなまたね」 君からの初めてのキスは 少しだけソースの味がして うまく笑えなかった