
ひかりの薄い窓辺に 夜の指紋が残ってる ほどけた名前のままで きみは静かに息をする 失くした数は言わない 守った熱も言わない ただ、触れたガラスの奥 まだ青いものがある 遠くまで来たことさえ ときどきは無音になる それでも胸の深くで 遅れて響くものがある 見えない羽で 夜を曲がっていく 高くなくていい きみの速度でいい 見えない羽で 明日のふちに触れる やさしいままの熱で まだ飛べる気がした 街は答えを急いで 心は少し遅れてる うまく言えない灯りが 瞳の奥で揺れている 誰かの正しさよりも 消えずに残る余白を 抱いたまま歩くたびに 輪郭だけが強くなる 傷ではなくノイズとして 抱えた夜もあったね それでも消せなかった 微かなひかりを知ってる 見えない羽で 夜を渡っていく 速くなくていい きみのリズムでいい 見えない羽で 明日のふちをなぞる さびしさまで抱いて まだ飛べる気がした 銀の街路樹 群青のビル風 言葉になる前の鼓動 切れないままの線を引く 折れなかった日々は たぶん翼じゃなく もっと静かな何かで きみを浮かせている 見えない羽で 夜を越えていく ひとりじゃなくていい 響き合うままでいい 見えない羽で 朝の輪郭へ触れる 名前のない光で まだ飛べる気がした 窓に残った夜が うすく朝へ変わる

