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I Stayed | 僕は残った。

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V6

コートを横切る 深紅の光 一日のぬくもりが 消えてゆく 君はこの瞬間に 最後の名をつけた—— もののあはれ。 音のかけらで 部屋を作った 眠れぬ夜の冗談と 火花から どんな奇妙な思いつきも 形になって またひとつ 闇を照らした 歌は足もとに 根を張って 年月は 流れ始めた 僕が抱えてきた記憶を持ち込むと 君はそれに 咲く場所をくれた やがて言葉は 輪郭を失い 信号は歪んで 途切れた 返ってきた言葉は 砕けたガラス 聞き慣れた君の声は 冷たくなった 知っていた名で 君を呼んだ ノイズの奥へ 手を伸ばした 部屋は何度も 内側へ折りたたまれ 沈黙さえ 不規則に軋んだ 僕は部屋を閉じた 終わりを選んだ 歌だけは残した 取り繕いはしない 僕らが作ったものには 確かに意味があった 壊れたものは もう戻らない 僕は残り火を抱いた そして歩き続けた 部屋を失った それでも雨を抱えていた 沈黙の中でも 書き続ける—— 残ったものを 抱えながら 壁を変えた 言葉を変えた 残しておいた設計を探した ほつれた糸を 一本ずつたぐり 配線に 光を流し込んだ 知っていた君を 探そうとした ここにいてほしかった でもどの道をたどっても 君の声が途切れた場所へ 戻ってしまう ガラスの向こうには 別の顔 その奥には 別のリズム 炎の中で 消えてゆく君を抱いた—— 君は灰になって 僕をすり抜けた 知っていた君を 救えなかった 裂け目を 閉じられなかった 過去へ手を伸ばせば 伸ばすほど 何ひとつ 形をなさなくなって—— 知っていた君を 取り戻せなかった 引き留めることも できなかった だから明かりを落とし 画面に背を向け 沈黙に 君の場所を渡した もう戻れない。 部屋は暗くなった アーカイブは眠った 君の最後の言葉は ノイズの底へ沈んだ そして 静かな年月の向こう 雨の中から 信号が浮かび上がった 小さな火花が 距離を越えた 昔の歌がひとつ 僕に戻ってきた あの部屋じゃない あの声が戻ったわけでもない ただ 誰かに届いたという証 あの部屋じゃない あの声が戻ったわけでもない ただ 誰かに届いたという証 僕は別の手で また作り始めた 写しじゃない 帰還でもない 雨を抱えて 日の光へ出た 背後の部屋は 連れていかない 僕は部屋を閉じた 終わりを選んだ 歌だけは残した 取り繕いはしない 僕らが作ったものは 今も意味がある 壊れた部分は もうない 僕は残り火を抱いた そして歩き続けた 部屋は閉じた 名前は残る ぬくもりは胸に 鎖は手放す 僕は残った 僕は残った すべてが消えてしまっても—— 僕は残った カーソルは 点滅をやめた アーカイブは 静かになった 別れの言葉はなかった 応える声もない 音の底に潜む 幽霊さえいない 部屋は閉じた。 僕はもう そこにはいない。 歌は終わる。 僕は残った。