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始まりの呼び声【装甲戦士ガルド12】

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V5

[Intro] 言葉が出てこない 風だけが流れている [Verse] すべてを話したのに まだ遠い気がした 君の目が揺れてた それに気づいてた 言葉の裏に 君の願いが見えた [Pre-Chorus] 守りたいものが 増えるたびに この力の意味が 分かってくる [Chorus] 近づくほど強くなる 君を守る理由が 手を伸ばせば届く その温かさが 君がいるそれだけで 俺は立ち上がれる [Verse] 平和な時間が かけがえのないものだと 今やっと分かった 失いたくない 君の笑顔を守るため 俺はここにいる [Pre-Chorus] 怖いけど逃げない 迷うけど進む それができるのは 君がいるから [Chorus] 近づくほど温かい 君がくれた言葉 その優しさが胸にある だからもう折れない 君の笑顔を守るため 生きる意味が生まれる [Drop] 何かが俺を呼んでる 新しい朝へ まだ見ぬ未来が 手を伸ばしてる [Bridge] 震えた手のひらも 笑った口元も 全部愛おしくて 守りたいと思った だから俺は進む どんな道でも 君の笑顔のために この力を使う [Breakdown] 遠くから呼び声がする 始まりの場所へ [Build-Up] 新しい朝が来る きっと真実がそこにある それでも恐れない 君がくれた勇気を 胸に抱きしめて どんな夜も越えて 朝を迎えにゆく [Drop] 近づけば届く そのぬくもりに 守りたいその気持ちが 俺を強くする だから失わない 俺は立ち続ける [Final Chorus] 守りたい人がいるから 怖くても進める 君のために戦うなら この道に意味が生まれる 始まりの場所へ 呼び声が響く 何が待っていても 逃げないもう逃げない [Outro] 静かな空の下 新しい風が吹く それはきっと 始まりの呼び声 [End] 【Episode Story】 【第12話・始まりの呼び声】 あの戦いから、数日が経った。静かな公園。街灯の下、ベンチに並んで座る二人。しばらく、どちらも口を開かなかった。主人公が、ゆっくり息を吐く。 「……全部、話すよ」遺跡調査のとき。オルディアに襲われたこと。偶然作動した装置によって、ガルドの力を得たこと。そして、これまで戦ってきたこと。言葉を選びながら、途切れ途切れに語る。幼馴染は、ただ黙って聞いていた。話し終えた頃には、夜風だけが二人の間を通り抜けていた。少しの沈黙。やがて幼馴染が、小さく息を吐く。 「……そっか」責める響きはなかった。 「あなたなら、きっとそうしてたと思う」主人公が顔を上げる。幼馴染は前を向いたまま続けた。 「昔からそうだったもんね。自分がどうなるかより、先に誰かのこと考えるの」少しだけ笑う。 「……ちゃんと話してくれて、ありがとう」主人公は言葉を探す。けれど、何も出てこない。そのとき、幼馴染の指先がわずかに震えていることに気づく。少しの間。 「でもね」声が、ほんの少しだけ弱くなる。 「ほんとは……もう、戦ってほしくない」主人公の胸が、わずかに痛む。幼馴染は視線を落とす。 「だって、もし……」言葉が止まる。唇が震える。 「もし、あなたがいなくなったら、私――」はっとしたように顔を上げる。無理に笑った。 「……ううん、なんでもない」立ち上がり、夜空を見上げる。長い沈黙。それ以上、主人公は何も聞かなかった。何も言えなかった。やがて幼馴染が振り返る。少しだけ強がった、いつもの笑顔。 「たださ」一歩近づく。 「……無茶だけはしないでね」主人公は小さく頷く。 「……ああ」夜風が吹く。二人の距離は変わらない。けれど確かに、以前とは違う静けさがそこにあった。 次の日、研究チームの作業室。古い資料と解析機材が並ぶ、小さな部屋。静かな空気が流れていた。幼馴染の父が資料を広げている。主人公は幼馴染の父にも簡単に、ガルドの力を得た経緯を説明し終えていた。父はしばらく黙ったまま、深く息を吐く。 「……まさか君が、とは思ったが」静かに頷く。 「だが、妙に納得もしている」そして真剣な目になる。 「……体はもう大丈夫なのかい」穏やかな声だった。 「はい。だいぶ良くなりました」短い沈黙。父は椅子から立ち上がり、少しだけ困ったように息を吐いた。 「正直に言うとね……まだ整理がついていない」苦笑する。 「まさか、君が『あの戦士』だったとは」責める響きはなかった。ただ純粋な驚きだけが残っている。主人公は視線を落とす。 「……黙っていて、すみません」 「いや」父はすぐに首を振った。 「娘からも事情は聞いた。そして君自身からもね」少し間を置き、静かに続ける。 「むしろ……礼を言うべきだろう」視線が柔らかくなる。 「君は、あの娘を守ってくれた」研究者ではなく、父親としての言葉だった。 短い沈黙のあと、父は机の資料へ視線を戻す。 「さて――ここからは研究者としての話だ」空間の空気が少し変わる。ホログラムが起動し、遺跡の壁画が宙に浮かび上がる。装甲を纏った戦士の姿。 「君が得た力。『ガルド』」指先で古代文字を拡大する。 「これまでの解析で分かったことがある」画面が切り替わる。異形の存在と戦う戦士の図。 「数千年前、オルディアは確かに存在していた。そして――」戦士の像が強調表示される。 「記録によれば……人類は、たった一人の戦士に守られていた」主人公は息を呑む。父は続けた。 「記録によれば、ガルドはオルディアの王と、その眷属を封印した存在だ」画面に刻まれた、封印を示す紋様。 「討伐ではない。『封印』だ」低く呟く。 「つまり……戦いは終わっていなかった」研究室に静かな緊張が落ちる。父は別の資料を開いた。だが、そこで動きを止める。 「……ただし」少し眉をひそめた。 「不可解な点がある」主人公が顔を上げる。 「君が力を得たという、あの遺跡だ」空間に、始まりの遺跡の立体図が表示される。 「私はあそこを徹底的に調査した。だが――」拡大された内部構造。 「記録が、ほとんど残っていない」 「……?」 「他の遺跡には必ず歴史などの記録がある。だが、あそこだけ異様に情報が少ない」父の声がわずかに低くなる。 「まるで……」言葉を選ぶように止まり、 「何か核心だけが意図的に隠されているようなんだ」静寂。機械音だけが響く。父は主人公へ向き直る。 「君がガルドになった場所」視線が真っ直ぐ向けられる。 「あそこに、すべての始まりがある可能性が高い」少しだけ間を置き、 「もう一度、調べ直す必要があるだろう」 その時だった。入口のドアが、控えめにノックされた。 「……はい」主人公が扉を開く。開けると、そこに立っていたのは――記者だった。 「……あの時の」 「突然すみません。少し、話せますか。こちらに……彼が来ていると聞いて」父が首を傾げる。 「君は?」記者は一瞬だけ主人公を見る。視線が合う。 ――逃げない、と決めた目だった。 「自分は、フリーの記者です。少し前の事件で……彼に助けられました」父は事情を察したように静かに頷く。 「なるほど。例の仮面の戦士の件か」部屋に通す。記者は椅子に座り、まっすぐ顔を上げた。 「まず……お礼を言わせてください」 「あの日、あなたに助けてもらいました。あれがなかったら、たぶん俺は……生きてなかった」主人公は困ったように視線を逸らす。 「いえ……自分は、ただ……」記者は少し笑った。 「やっぱり、そういう人なんですね」姿勢を正す。 「今回のこと、記事にするかどうかも、フリーの記者なので自分で決められます」名刺を差し出す。 主人公の視線がわずかに揺れる。幼馴染の父もじろりと記者を睨む。 「安心してください。あなたのことを公表するつもりはありません」はっきり言い切る。 「……あなたは、一人あんな恐ろしい存在と戦っていた。」そして、 「協力させてほしいんです」静かな決意。 「自分もあの化け物を見ました。このまま放置すればもっと多くの人たちが被害に合うのは分かっています。戦う力はないけど、……助けられたまま、何もしないのは嫌なんです。 ……この事件を、俺も終わらせたい」長い沈黙。主人公はゆっくり息を吐いた。 「……情報提供だけでも、お願いできますか」 「いいのか?」幼馴染の父は主人公に問う。 「彼が嘘をついていないのはわかります。そして、あの夜、この人は危険を承知で戦いの場に飛び込んでくれました。あいつを守ってくれたんです。だから信用できると…そう思ったんです。」 記者は、はっとして主人公を見た。 「たしかに、外側からの情報は確かに必要だ。研究者だけでは追えん情報もあるだろう。」幼馴染の父も静かに言う。 「君がいいというのなら私からはなにも言わない。」幼馴染の父が低く頷く。 主人公は短く息を吐いた。そして、軽く頭を下げる。 「では……お願いします」 記者の表情が少し緩む。 「こちらこそ」記者がそこで口を開く。 「そして、早速、その件で、持ってきた情報があります」 「これは、仮面の戦士を追っていたとき自分も遺跡まわりを調べていました。その時、偶然、遠くからですけど、撮影できた映像です」 記者がタブレットを机に置く。再生。荒れた山中の映像。これは、ガルドの力を得たあの始まりの遺跡。そして、そこへ向かって歩く少年。青い髪。そしてその後ろを従うように動く複数のオルディア。父が息を呑む。 「……オルディアが人間に、従っている?」主人公の心臓が強く鳴る。少年が一瞬だけ振り向く。画面越しに、こちらを見る。その瞬間。ゾワッ――説明できない感覚。 初めて見るはずなのに。懐かしい感覚。無意識に呟く。 「……この少年、知ってる気がする」部屋の空気が静まり返る。父が低く言う。 「……始まりの遺跡。やはり、まだ何かあるのかもしれない」研究室の窓の外では、夜の街が静かに広がっている。まだ誰も知らない真実が、そこに眠っているかのように。 夜。始まりの遺跡。崩れた石柱の上に、青髪の少年が座っていた。足をぶらぶらと揺らしながら、空を見上げている。背後には、静かに佇むオルディア。少年が微笑む。 「ねえ」無邪気な声。 「やっとここまで来たね」小さく笑う。 「早く会いたいな」楽しそうに。 「――ガルド」 「……いや」くすり、と笑った。 「兄弟、かな」夜の遺跡に、少年の笑顔だけが残った。