窓辺に落ちた 光の粒が あの日の手紙を照らしていた 名前のない封筒 でも、すぐにわかったの あなたの文字 「声を思い出すようになった」 読み進めるたび 心がほどけてく 初夏(ういか)の香りが 胸に満ちて 言えなかった言葉が 今も揺れてる そっと開いた 記憶のページ あの夕暮れが ふいによみがえる 夕暮れ 川沿いのベンチ 袖をまくった白いシャツ 笑っていた 何も知らずに 何かが 確かに始まっていた 季節は流れ あなたはいない でも、消せない影が そっといる 初夏(はつなつ)の響きに 耳を澄ませば 風が背中を やさしく押した そっと残る 言葉の余韻 ふたりの影が 揺れていた 初夏(しょか)の煌めきを 抱きしめながら 書きかけの返事を 胸にしまった 「もう一度だけ」 その続きを 話してもいいかな この季節に



