窓を開けたら 風が部屋を弾いていった 何も言わない朝ほど よく響く気がする 抱え込んできたものは 重さじゃなくて余白だった 埋めないままでいたから まだ鳴れる気がした 六弦をなぞるたび 昨日が少しほどけていく 答えじゃなくても この音なら信じられた 軽いままでいい 深く鳴れたらいい 誰にも似ていない響きを 今日も探している 強く掻き鳴らしたあとほど 静かな音が残るから 僕だけの鳴り方で 僕だけの今日を歌う 何かになるために 削り続けた時間より 何も足さないまま 鳴っていた瞬間を覚えてる うまく弾ける日より 少し外した夜のほうが 僕はちゃんと そこにいた気がした 拾えなかった音まで 身体の奥で生きている 完璧じゃないから まだ先を鳴らせる 軽いままでいい 深く鳴れたらいい 誰にも似ていない響きを 今日も抱えていく 遠くまで届くことより 近くで震える音がいい 僕だけの鳴り方で 僕だけの明日を歌う 空っぽなんじゃない 風が通る場所を 残してきただけ だからまだ こんなにも鳴る 軽いままでいい 深く鳴れたらいい 名前のない景色まで この音で触れてみたい 鳴り止まない六弦と 少し不器用な今日を連れて 僕は僕のままで シンラインを鳴らしていく


