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白銀のニュクス

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V5.5

白い街を 背中に離れ プロメテウスは 人のいない地へ 船の中には 見張られる少女 船の外には 白銀のニュクス こいつは敵だ だが話せる 艦長の声が 銃口を止めた 敵意はないと 少女は告げる けれど誰も まだ信じきれない 解析室の 白い扉 グレンジャーが 後を追う 私も見ると 伸ばした手を カーサの声が 静かに止めた あなたは駄目よ 相手は女の子なんだから スキャンの光が 少女をなぞる 筋肉 骨格 心肺駆動 神経の端まで 機械が繋がる カーサの声が 少しだけ沈む 身体の六割が 接続用に 置き換えられている 少女は静かに 答える エクス接続を 維持するための 処置です それをあなたたちは 処置と呼ぶのね 白銀のニュクス 夜の名を抱き 黒より深い 白さで漂う 白銀のニュクス 声もなくついてくる 敵でもなく 味方でもなく 少女の鼓動に 結ばれたまま 静かな夜を 渡っていく あなたは誰 なぜここに来た その瞳は 誰を見ている 少女は静かに 名前を告げる 識別個体名 エア エクス・ニュクス 中核個体 外の船は 私の外殻 近い表現なら そう答えます なぜアルカに 近づいたの 彼は 死んだはずでした 登録識別 個体名アダム エアはそう 答えた そのアダムって 誰のこと カーサの声が 静かに触れる エクスオルビス 正規適合者 エアはまるで 記録を読むように そう答えた カーサはそっと 言葉を返す けれど今 ここにいる彼は アダムではなく アルカなの 今は アルカ暦 何年ですか 少女は 知らない暦を口にした カーサの声が 静かに返す ここはもう あなたが眠った後の時代 なぜ今 目覚めたの エアは 遠くを見る エクスオルビスの 声を聞きました コールドスリープから 呼び覚まされたのです 白銀のニュクス 夜の名を抱き 黒より深い 白さで漂う 白銀のニュクス 声もなくついてくる 敵でもなく 味方でもなく エアの鼓動に 結ばれたまま 静かな夜を 渡っていく カーサが聞いた あなたたちの目的は何 地球の古い 防衛機構なの エアは答える 部分的にはい 星律機構は この星に残された 古い理 文明が星を 壊す前に 人の数を 規定値まで戻す それを星律は 維持と呼び 人はそれを 虐殺と呼ぶ カーサが続ける 敵対の意思は エアは少し 間を置いて 現時点で 敵対意思はありません けれど 命令があれば 行動が変わる 可能性はあります その命令を 下すのは誰 エアの指先が わずかに震えた 白銀のニュクス 夜の名を抱き プロメテウスの後を 静かに辿る 白銀のニュクス 声もなくついてくる 敵でもなく 味方でもなく ただまだ 答えを持たないまま 人の街から 遠く離れていく 呼吸が ひとつ乱れる 瞳が かすかに揺れる エアは唇を 静かに開く 彼が マンダートゥムが 来ます