風が止まり、星が息を潜める 森を包む黒のヴェールが、ゆっくりと落ちていく その中心に立つのは、ひとりの妖精――ノクス 闇の翼を広げ、世界をやさしく包み込む 「恐れないで 夜は終わりじゃない 再び光が生まれるための静寂」 私はノクス、夜を紡ぐ声 光が休むあいだ、命の夢を守る者 音もなく流れる風の中で、 消えゆく灯をそっと撫でる 「闇は拒絶じゃない 休息の祈り」 葉の影が波のように揺れ、 星が水面に落ちて弾ける 森全体が深呼吸するように、 世界がひとつのまどろみへと沈む 眠れ、すべての命よ 痛みも、涙も、夜に溶けて 闇はやさしい腕で包む 明日を信じるために 消える光の中で 心だけが輝いている 静寂こそが 再生の歌 ノクスの夜に抱かれて 小さな声が聞こえる 昼に泣いた花の記憶 私はそっと、その夢を撫でる 「大丈夫 朝はまた来るから」 「暗闇の中でしか見えない光がある」 月がゆらめく、音もなく 遠いフクロウがひと声鳴く 夜の鼓動が森を包み、 静寂が音楽になる 眠れ、すべての夢よ 過去も未来もいまは要らない 光が戻るその瞬間まで 心を休めていい 夜は優しい布のように 世界を包み込む 沈黙こそ、命の調べ ノクスが歌うノクターン 遠くで微かな声がする ソルリスの光が呼びかける 「闇よ、なぜそこにいるの?」 ノクスは静かに微笑んで答える 「光がある限り、私は消えない 私があるから、光は眩しく輝ける」 二つの声が重なり、 夜空に金と黒の弧を描く 調和――それが、生命の形 眠れ、そして目覚めよ 命は夜を越えていく 闇と光が手を取り合う この瞬間、世界は再び始まる 私はノクス、夜の守り手 静寂に宿る希望の声 暗闇こそ、光の約束 ――闇は、終わりではない 森に朝の風が戻る ノクスは空を見上げ、 消えゆく星たちに微笑む 「おやすみ、そして――また明日」 闇はそっと光へと還る


