
Laundry Blues 花々の逢瀬が 終わる頃 恋の粉を 撒き散らした街は 何事も なかったように 青く 澄んでいた 窓を開ければ やわらかな風 昨日までの ため息を そっと ほどいていく ベランダに 光が落ちて 濡れたシャツが 風に揺れる こんな朝なら 何もかも 綺麗に 乾いていく気がした 洗い終わりの 合図が鳴って 私は 少し笑った 長い冬も 花の名残も 今日で 終わる気がした なのに ジーンズの 右ポケットに 誰にも知られず 春を越した 小さな白い災いが 眠っていた In my pocket 白い紙吹雪が 朝に舞う 季節外れの 雪のように 洗ったはずの 黒い服へ ほどけた罪が 降り積もる White paper snow 私の春は 終わったはずなのに 洗濯かごの中だけ まだ吹雪いていた ひとつ摘まめば またひとつ 払えば また舞い上がる 袖の裏にも 襟の影にも 白い欠片が 忍び込む 黒いジーンズは 沈黙したまま 濡れたまま 私を見ていた ねえ あなたも 何かを 隠していたのね Black denim white sorrow Not again 私は 空を見上げた 雲ひとつない 青だった こんなにも 美しい朝に どうして 私は 黒い服から 白い絶望を ひとつずつ 剥がしているの Oh, little sin 白い紙吹雪が 朝に舞う 季節外れの 雪のように 洗ったはずの この暮らしへ ほどけた罪が 降り積もる White paper snow 花々の逢瀬は 終わったのに 私の部屋には まだ白い春 ベランダの風に ゆっくり揺れる 黒いジーンズと 小さな後悔 次からは ポケットを見るわ そう呟いて また一枚 白い欠片を取る 朝は あんなに綺麗だった ただ ジーンズの中に 冬が残っていた 白い紙吹雪 私だけの Laundry Blues

