[Verse 1] ヘアーサロンの 椅子の上 「痒いところありますか?」の問いかけに 本当は頭頂部が ムズムズしてるけど 「ないです」と微笑み 我慢の子 ​コンビニのレジ 背後に視線 ホカホカの肉まん 頼みたいけれど 並ぶ誰かの 時間を奪えぬ 何も言わずに スルーした ​[Verse 2] ラーメン屋 長蛇の列に身を任せ ようやく見えた 暖簾(のれん)の先で 不意に襲った 尿意に負けて 最後尾へ 戻る足取り ​同僚とのランチ 本当はサバ味噌 「日替わり」「日替わり」続く声に 「じゃあ僕も」と 心に嘘をつき 揚げたてのフライを 流し込む ​[Chorus] NOと言えない 僕らのマーチ サバ味噌 肉まん 肘掛け 割り箸 諦めた数だけ 徳を積んでる 順番抜かされ 背もたれ倒され 今日も僕は 波風立てずに 生きてゆく ​[Verse 3] 映画館 両脇の肘掛けは すでに隣の 領土になってる ポップコーンを 抱きしめるように 小さくなって スクリーンを見つめた ​お弁当開けたら 箸がない 「すみません」の一言が 言えなくて 近くのコンビニ 走って向かい 10膳入りのパック 買って帰る ​[Verse 4] 長距離バスの 狭い夜 前の椅子が 勢いよく倒れてくる 僕は後ろに 気を遣いすぎて 直角のまま 朝を待つ ​[Chorus] NOと言えない 僕らのマーチ サバ味噌 肉まん 肘掛け 割り箸 諦めた数だけ 徳を積んでる 順番抜かされ 背もたれ倒され 今日も僕は 波風立てずに 生きてゆく ​[Outro] 結局 言い出せなかった サバ味噌定食 代わりに食べた 日替わりの味も 悪くはないか 部屋の隅には 出番を待ってる 9膳残った 割り箸の束 明日こそは 肉まんを頼もう …なんて思いながら 誰かに道を譲ってる そんな僕の 直角な毎日。 「あ、大丈夫です」