過去の影にうかぶ街 浮いた足で道を軋ませる 錆びたきおくは止まったまま 誰もいない広場で鐘が鳴る 割れた窓の隅にうつる 噴水のふちに座る君 垂れたツルを手に巻いて あの日の残滓に身をゆだねた 思い出の中に沈んだ街 靴のなかでおぼれる足 呼んでも 呼んでも 声が泡になる 色褪せた看板の文字 読めないままでも覚えてる 二人で歩いた石畳 今はこけが名前を隠してく ひび割れた硝子の奥で 君はまだ指を浸してる 冷たい水に溶かしたのは 言えなかったさよならの欠片 思い出の中にかすむ街 靴のなかでおぼれる足 進めば 進めば 君が近づく ここにいれば 痛くないの ここにいれば 終わらないの つるがほどける音がして 噴水が 止まった 思い出の中に沈んだ街 濡れた靴を脱ぎ捨てて 過去の影がほどけてくまち 裸足のままで歩き出す さよなら さよなら 泡がはじけたら 朝の光に 君が透ける


