鐘が鳴る… まだ、帰れないのね 濡れた石畳  月の血が滲む 誰もいないはずの影が  私を知っている 薔薇の棘よりも  優しい痛みで あなたの名前が  喉に咲いて散る 振り向けば 距離は零れて 逃げるほど 近づいてくる 夜が私を解く 祈りを解いてゆく 白い指先が  鼓動を数えてる 生きている証を 一つずつ外して やがて私は  私でなくなる 割れたステンドグラス  天使は首を折り 赦しの光さえ  ここには降りない 棺の温度だけ  なぜか懐かしくて 閉じた瞼の裏  あなたが微笑む 名を呼べば 深く沈んで 拒むほど  抱き寄せられる 夜が私を撫でる 恐れを溶かしてく 黒いベール越し  世界が遠ざかる 最後の鼓動が 静かに花になる 痛みはやがて  安らぎへ変わる 逃げなくていいと 闇が囁いた 愛よりも確かな 永遠の体温 私はもう 朝を望まない 夜が私を迎え 涙を閉じてゆく 終わりのない腕  優しく冷たい 消えていくほどに 満たされていくの ここで私は  あなたに触れる …Dusk and Her Embrace