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聖地のガーベラの神殿

一時間ほど馬車で揺られて、一同はガーベラの神殿についた。ガーベラの神殿はダーナの神殿ほど大きくはなかったが、神殿の周りに花の蔓がまきつき、いろいろな花が咲き乱れていた。女性らしい丸みを帯びた神殿である。 神殿の入り口には人だかりができていた。「キャーキャー」黄色い歓声が飛んでいる。 「なんでしょうな?」 ビスコーが歓声を気にしながら、神殿の中に入っていった。 「あ、クーリーフン様だ」 ラギが言った。ガーベラの神殿の中に白い翼を背にもった美神が待ち構えていた。 「やあ、おはよう」 クーリーフンはゆり達を見て手を振ってくれた。 「おおっこれはなんという幸運でしょう。まさか神殿で神様に会えるなんて!」 ビスコーは驚いていた。 「おはようございます!」 3人はクーリーフンに挨拶をした。 「ミシェイラには言えないね」 ラギがシスに言った。 「うん。内緒にしなきゃね。でも、ガーベラ様の神殿に来てるんだ。なんだか感無量だよ。僕」 「僕も」 二人は感動のあまり、目を潤ませていた。時々ゆりにやってくる優しい女神、その女神の神殿にやってきているのである。神殿の中もいろいろな花が咲き乱れ、太い蔓に小鳥たちも止まっていた。神殿の中は花の匂いが 充満している。 「はい」 クーリーフンは綺麗な花輪をゆりの頭の上に乗せてくれた。 「どうもありがとう」 「いえいえ。じゃあガーベラの恵みをどうぞ飲んで行って」 「うん」 部屋の真ん中には大きな瓶があって、女の神官がひしゃくでついで渡してくれた。 「クーリーフン様ー!!!!」 女性達が興奮してクーリーフンに近づいていた。 クーリーフンは神殿の中に咲いている花を一輪づつちぎって女性達に渡している。 「クーリーフン様、ステキ!」 「ステキすぎる!!」 女性達は大興奮していた。 クーリーフンが笛を吹き出すと、神殿の中にいた小鳥たちが一緒に鳴きだした。キラキラ輝くクーリーフンは、そこだけ絵画にしたいほどの美しさである。 クーリーフンは、やはり女も男も一目みれば目を離すことができないほどの魅力の持ち主である。 「ああうっとり」 「しびれるう」 女性達は腰砕けである。しかも泣いている。この世の最上の美と愛に触れて感動しているかのようである。シスとラギも、うれしそうにクーリーフンを眺めている。 ところがゆりは、まったくの平常心で神殿の中をきょろきょろ眺めていた。ガーベラの大理石の像は、ガーベラの美しさがよく表されている素晴らしい像である。 ビスコーでさえクーリーフンをぼんやり眺めているというのにゆりがそんな様子だったので、スペードはそこでも疑問を感じていた。 「ゆり様はクーリーフン様にぼんやりしないんですね」 スペードがゆりに言った。 「え? 私はスペード様の方が好みです」 ゆりはつい言っていた。