
蛹の奥 まだ無音 翅脈だけが先を知る 似合う名前を貼る指を 薄い膜ごと擦り抜ける 分類 輪郭 規格 記号 並べた順に褪せていく 決められたくない その一語さえ もう古い殻にして 裂け目から光が滲む 白い翅ほど傷を映す 完成なんて誰の都合 未定のままで脈を打つ ひとつになるほど遠ざかる 昨日の形を引きずって それでも翅音は濁らない どこへ行くかは書かれてない 何になるかもまだ未定 境目だけを 二度と同じにしないこと 薄明の空 まだ無色 輪郭だけがほどけていく 呼び名のない翅をひらく 誰の型にも収まらないまま 翅を、のばす。

