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月夜に溺れる

V4.5+

艶のない月が 窓辺で笑う 飴色の夜 影は長く伸びて 指先に絡めとる ぬめりを帯びた孤独 誰もいない部屋 私ひとり 唇を重ねるたび 心はどこか遠く去り 温もり求めて 爪が食い込む 涙の味は もう覚えていない 重たいまぶた 夜に落ちていく ねえ、お願い 誰か気づいて この色褪せた叫びに 唇より深い 傷口を 言葉にできぬまま 満たされぬ夜に溺れて 爪痕だけが私を知る 愛を謳えば 身体が焼ける 認められたくて もっと深く突き刺す だけど鏡に映る私は わざと滑稽に笑って この世界の端で 密やかに消えたいだけ 導火線に火をつけて遊ぶ 微かな刹那に 生きる実感 身体ばかり重ねても 心は寒いまま 嘘にまみれた 愛撫のあと 唇を噛みしめては 夜更けの風に揺られ ねえ、私 きっと呪われている 「だいじょうぶ」「好きだよ」 柔い声 すべて嘘に見えて 本当の私を 壊してしまえ 跡形もなく溶けてしまえばいい 満たされぬ夜に溺れて 傷口だけが私を知る 繋がりを求めて もう一度 愛という名の鎖に縛られる 涙も流せないこの胸で 「生きてる」と叫びたいけれど 千切れるほどに 爪を立てても 感じるのは孤独ばかり 今宵もまた、月は静かに 私の破片を拾い集めて やがて朝が来たとて 私は夜明けに隠れたまま