一、 指をこぼれる 川の水 昨日の流れは どこへ行く 人は誰しも とどまれぬ 一秒刻みの 命火よ 「私」という名の この舟も 一瞬(刹那)の波間に 生まれ、消え…… 今この胸は 真っさらな 産声あげて 生きている あゝ無情のアビダルマ 二、 過ぎた月日に 未練の糸を 手繰り寄せても 詮はない 消えた過去なら 影法師 縛る鎖は ありゃせぬよ 時間は未来から やってくる 上流(かみ)から流れる この運命 明日はまだ見ぬ 真っ白な 雪解け水と 同じじゃないか あゝ無情のアビダルマ 三、 ナノセカンドの 瞬きに 生まれ変われる 旅路なら 過去の傷跡 置き去りに 一歩、踏み出す 道がある 決まりきった 末路など どこを捜しても ありゃせぬよ 刹那、刹那の 積み重ね 咲かせてみせよう 明日の花を あゝ無情のアビダルマ