言葉にならないなら そのままでいい 話せないなら ここに置いてけばいい 誰かが残した 小さな想い 行き先のない 伏せた言葉 そっと拾って 温めて ひとつの声に 変えてゆく 「大丈夫」なんて 簡単には言わない 痛みの形は 違うから ただ届く場所へ 運んでゆく 声になれ 夜を越えて 名前のない想い 連れてゆけ あなたが言えない その言葉を 向こう側まで 届けてゆく 玄関に並ぶ 五つの気配 朝が来れば 今日が始まる 「いってらっしゃい」 「忘れ物ない?」 いつもの声に 暮らしが宿る 笑って聞いて 時には刺す 綺麗なだけじゃ 届かないから 言葉の奥を 見つめながら 隠した想いを 声に変える 声になれ 夜を越えて 名前のない想い 連れてゆけ あなたが言えない その言葉を 向こう側まで 届けてゆく 誰かの涙 消せはしない それでも残る 小さな雫 ひとつ またひとつ 声になって 流れてゆく 声になれ 夜を越えて もっと遠くへ 届けてゆけ 声になれ 夜を越えて 名前のない想い 連れてゆけ あなたが言えない その言葉を 向こう側まで 届けてゆけ 声になれ 夜を越えて 名前のない想い 連れてゆけ あなたが言えない その言葉を 向こう側まで 届けてゆけ もっと遠くへ もっと遠くへ 届けてゆけ――!


