
ああ―― 風よ 目覚めよ 峰々のかなたより 光は来たり 大地は息づく ああ―― 古き空よ われらを抱きたまえ 東雲の色 岩肌を染め 眠れる谷に 影は差して 名もなき草は 露をいただき 小さき命を 空へと掲ぐ 流るる雲よ いずこへ行くや いずれその影 山河を潤したまえ 風は告げたり 日の昇る刻を 鳥は歌えり 今日ある歓びを われらもまた 土より生まれ ひととき空を 仰ぐものなり 讃えよ 讃えよ 天なる光 黄金の環よ 峰を巡れ 歌えよ 歌えよ 地なる命 この身ひとつも 大地のひびき 風とともに 雲とともに めぐり めぐりて また還らん ヤー ハイラ 風よ 渡れ ヤー ハイラ 光よ 満ちよ ヤー ハイラ 山よ 応えよ われらの歌を 空へ運べ 深き谷間を 水は走り 石より石へ 古きを語る 千歳の峰は 黙して立ちて 去りゆく時を 見守りたもう 荒ぶる雨も 凍れる夜も すべては明日の 実りとなりぬ 獣の足跡 花咲く丘も ひとつの息にて 結ばれてあり 高く なお高く 風は舞い上がる 遠く なお遠く 笛は鳴り渡る 山よ 空よ われらを聴け 今こそ声を ひとつにせん 讃えよ 讃えよ 燃ゆる太陽 あまねき恵み 地上に降れ 歌えよ 歌えよ 生けるすべてよ 空を行く鳥よ 地に張る根よ 雨とともに 火とともに 生まれ 移ろい また芽吹かん ハイラ―― ハイラ―― 風はわれらを越え 空はわれらを包む ハイラ―― ハイラ―― 名なき祈りも 峰々は知る されば恐るるな 夕暮れの影を 日は沈めども 光は絶えじ されば嘆くな 散りゆく花を 種は静かに 大地に眠る 失われしもの ひとつもあらじ 風へ 水へ 土へと還り 新たな春の 歌となるらん いざ 手を掲げよ 天の青さへ いざ 声を放て 果てなき峰へ われらは風 われらは水 われらはひととき 歩める大地 いざ いざ 光のもとへ 讃えよ 讃えよ 天なる光 黄金の環よ 世界を巡れ 歌えよ 歌えよ 地なる命 鼓動のすべて ひとつに響け 風とともに 雲とともに めぐり めぐりて また還らん 星とともに 月とともに 眠り 目覚めて また歌わん ああ―― 山は在り 古き山々よ 永久に在れ われらの歌を 抱きたまえ

