
月の影 すべり落ちた 白布(しらぬの) ひそやかに 君の輪郭(かたち)を撫でる 水面(みなも)にひとひら 浮かぶ過日(かこ)の記憶 わたしは あの日から 知っていたの ふたつ 絡む指 昼を拒む 夜の帳(とばり) 罪(とが)を重ねて 君と溶けてゆく ゆめか うつつか このぬくもりに名はなく ただ 確かに そこにいた ふたつ ほどけた髪 風も眠る 秘めやかな宵 交わす言の葉の代わりに 肌で聴いた きみの真(まごころ) 藍に染まる まぶたの奥 ひっそり灯る ふたりの秘密 今宵のことは 言葉(ことのは)にせず 心の奥の 裏頁(うらおもて)に たしかに 焼きついた

