
チャイムが止んだあと 空気だけが鳴っている 手の中の鼓動を 耳で聴く 言い出せない「大丈夫」を 舌の裏で温める まっすぐ言えば届くと ずっと思ってたけれど 君の今日の高さへ 言葉を少し下げて 視線の角度だけ 先に合わせる 上手さより **角度(むき)**がいる 声量より 温度の行き先 **拍(はく)**をひとつ 息をそろえたら 沈黙さえも 合図になる 見えない拍が 胸の真ん中で数えてる 「がんばれ」より「ここにいるよ」 同じ言葉でも 置き場所で変わる 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 音にならない音で 橋がかかる 騒がしい教室でも 島のような机の角 返事のタイミングだけ 半拍ずれていた 君が小さくうなずく それだけで 離れていたリズムが やわらかく重なる 増やすより 削っていい 飾りはいらない 真ん中の温度 「私」から「あなた」へ 主語をひとつ変えて 距離のメモリが ひとつ縮む 見えない拍が 手と手の間を導いて 「大丈夫?」より「つらかったね」 短い一行で 光が触れる 心 × エネルギー(エネシン)= 灯る回路 声が小さくても 灯りは点く (無音の一拍) 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る (無音) 胸のメトロノームが 同じ速さになる 見えない拍を 二人の合図に変えていく 角度・温度・拍がそろえば 届かなかった声が 歌へ変わる 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 ゼロだった式に 灯りが差し込む 「ここにいるよ」を 同じ拍で チャイムがまた鳴る 窓の外は風 数えた拍だけ やさしく強くなる


