
凍てつく指先 紅を引く 鏡の向こうは、人の顔 「愛している」と 囁いた口が 今は氷の刃に変わる 雪は深々と未練を隠し 私は、ただの 迷い子になる 心は乱れて 千切れる 三味の音が 哭く夜の底 追えば追うほど 遠ざかる背中 あなたの嘘を 飲み干すたびに 喉の奥から 「行かないで」と 言える強さが あったなら この身は楽だった? 答えを求めて 荒ぶる海へ 駆け出して いく 愚かだよと 笑えばいい 私は恋の難破船 荒れ狂う情念の波に 木の葉のように弄ばれ 涙さえ、枯れ果てた あぁ、最果ての空に あなたを呼ぶ 届かぬ 祈り雪に染まる 運命( さだめ ) という名の 嵐が吹けば 二人の絆は脆くも砕け 海の藻屑と消えてゆく それでもいい 地獄の底まで あなたと堕ちて 生きてた かった 愛しすぎて壊れた 私は独り難破船 凍える手で幻を抱き 砕ける波に 身を投げ出して さよならを抱きしめる ああ、鳴神よ、 いっそこの身を 灰になるまで 焼き 尽くして.... 静まり返った冬の海 波間に浮かぶ 一筋の紅、 もう二度と帰らぬ愛を 雪が優しく..... 埋めて 行く


