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錯乱図

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[Verse 1] おさきにどうぞって 笑ってたのは誰だっけ 呑まれた感情 冷めた茶碗 いまさら指、ほどけない [Pre-Chorus 1] 三歩下がって 毒づくほうが 楽なんでしょ 言葉の棘、鞘に収めて なんもなかった顔してさ [Chorus 1] またね、って逃げて 戻ってくるくせに 真実(ほんと)を並べりゃ だいたい嘘になる そっちが正しいなら ぜんぶ間違えてたい 言葉の弦が ひとつ切れた夜 余白も割ってくれりゃいいのに [interlude] [Verse 2] きれいに撮れた ぼくの知らないあなた 真っ白な襟、あくび混じり 縫い目がほどけるように [Pre-Chorus 2] 指切りげんまん その手は誰と結んだの どうせ今夜も 夢の中でしか会えないんでしょ [Chorus 2] さよなら、って呟き 消しゴムでなぞった ふたりの境界線 やけにくっきりで 壊れてく音 そっちに届くなら 軋んだ弦が夜を裂いた 嘘だけ優しく弾いてよ [Bridge] もういいよ 正しさなんて要らないし 心が割れる音に 耳を澄ませてただけ [Final Chorus] またね、って逃げて もう戻らなくていい ほどいた指先が まだ熱を持ってた 飲み込んだ声の奥 錆びた嘘が疼いてる 軋んだ弦が夜を裂いた それでも 黙って 願ってた ほんとうのことは 言わないままで。 [Outro] あの日 たしかに 頬を打った風の音 いまも耳の奥で 鳴りやまないんだ [Ending] [Instrumental] ------------------------------------------------------------ ## ライナーノーツ|錯乱図 ## 『整えようとするほど、言葉は歪んでいった。』 この曲は、「届かなかった感情」と「伝えなかった選択」の記録です。 愛していたとも言い切れない──憎んでいたとも言い切れない。 ただ、言葉を紡ぐたびに、 何かがひとつ、確かに崩れていく音だけが残った。 タイトルの「錯乱図」は、 感情の断面を無理やり“図解”しようとする試みに近いものです。 理性的に切り分けようとしたその手つきが、 かえって傷を深くする──そんな逆説的な構造をそのままタイトルにしました。 この歌に登場する「声」や「音」は、 伝える為ではなく、あくまで“残す”ためのものです。 誰かの為ではなく、自分の中で何かを終わらせる為に 鳴らされた、独白にも似た震え。 「正しく伝えること」が、 必ずしも救いではないとしたら── 感情の形が歪であることそのものに、 ほんの少しだけ肯定を灯せるかもしれない。 『錯乱図』は、そんなわずかな光の為に描かれた、 私的で不完全な“音の設計図”です。