なあ、久しぶりだな 最後に会ったのはもう、何年も前か 連絡もせずに、不義理ばかりだった俺だけど どうしてもこれだけは伝えたくて、 こうして言葉にしてる 授業が終わると まっすぐお前んち行って あるいは、堂々とサボって 「今日もだべるか」って あの三畳間に、自然と集まったよな --- バイクの話も 人生の悩みも どうでもいいようなことを延々しゃべって 笑いすぎて、畳に寝転んでた俺らの横に そっとコーヒーを置いてくれた おばちゃんの気づかい、今でも覚えてる あの部屋には 境界線なんてなかった 血のつながりなんかなくても 俺にとって、家みたいな場所だったよ --- おばちゃん、ありがとう ちゃんと伝えたかった 親でも先生でもないけれど たいせつなぬくもりだった 俺がどんなにバカやってても あの家は、あの部屋は 「お前はここにいていい」って 黙って、灯りをともしてくれてた --- おばちゃんが亡くなったって 聞いたのは もう2年半も前のことになる 俺は何もできなかった 顔も出せなかった ほんとに情けない、不義理なやつだよ でも、それでも―― どうかこの気持ちだけは、届いてほしい --- あの三畳間のことは 忘れない 狭くても 俺の心には今も一番広い場所 おばちゃん、本当に ありがとう、そして ごめんなさい いつかまた会えるなら あの部屋のちゃぶ台を囲んで もう一度、あのコーヒーを 笑いながら 飲みたいよ --- なあ、またどこかで会えたら 今度はゆっくり 昔話をしよう そん時はさ、俺がコーヒー淹れるからさ