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私ではない花【秋明菊】

V6-MINI

秋の風が巡るたびに あなたの好きな私を演じていた 静かで 儚くて ただあなたを待つ 優しい誰かの影を 纏いながら 「忍耐」という名の蕾を抱えて 多感な季節の渦の中で 本当の声を押し殺していた 淡い思いの裏側に 嘘を浮かべて 菊だと思って 愛していたのでしょう 私もずっと そう思わせていた けれど私は あなたが思うような花じゃない 偽りの姿に咲いた 幻だった 季節が進むにつれて 愛されるための私が すり減っていく 薄まる色 解ける糸 隠しきれなくなった 冷たい素顔 本当の私は こんなにも強くて こんなにも遠い場所に立っている あなたが愛した私は 
もうどこにもいない 夜の向こうに咲く花のように 
静かな暗がりへ 消えていく 名前さえも偽物だった 「菊」と呼ばれ続けた私 本当の私を あなたが見ることはなかった うつむく振りをして 耐えていただけの私を 愛が薄れて 朝が来ても もうあなたの待つ場所へは戻らない あなたが愛したあの幻は 静かに風に溶けて消えた それでも秋の庭には 私によく似た花が咲いている 白く 淡く 誰も知らない名前で 静かに 咲いている