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カチリと鳴る、僕らのストリート ~白杖が描く輪郭~

V6

朝のターミナル 冷えた階段を降りて  石突きが捉えた タイルの境目 カチリ 硬質な反響が  壁の位置を 僕の耳に教える イヤホンの波 急ぎ足の革靴  すれ違う風の隙間を 真っ直ぐに縫う   足裏に触れる 黄色い突起の列  誰かのカバンが 肩をかすめて過ぎる 視覚のない世界は 暗闇なんかじゃない  音の粒と 気配が渦巻くストリート   カチリ 爪先の先を叩いて  手繰り寄せた 都市の確かな輪郭 白杖が刻む パーカッシブなビート  黄色いラインを 迷わずに踏みしめて 僕は歩く 自分の足で  見えない地図を 音と共に行く!     歩道の真ん中 不意に途切れたブロック  放置されたペダル 看板の硬い角 白杖のしなりが 異変を告げて  ブレーキをかける 爪先の一歩手前   交差点のざわめき 青信号のメロディ  風向きが変わって 方角を見失う 立ち止まり 両手で白杖を  頭上五十センチ高く 掲げたサイン   誰か気づいて 掲げた白いシグナル  雑踏のノイズに 埋もれそうなSOS 「何かお手伝いしましょうか?」 届いた声が 途切れた道を繋ぎ直す 肘を貸してくれた 温かい摩擦  同じ歩幅で アスファルトを渡る!     見守るだけの優しさを越えて  声に出す一秒が 世界を変える 白杖は ただの杖じゃない  自立のアンテナ そして対話の架け橋   響け アスファルトを弾くタップ音  黄色い道を 誰も塞がない街へ! すれ違う靴音 重なり合うリズム  お互いの距離を 認め合えるなら 僕らのストリートは 一本の線になって  何処までも続いていく!   カチリ 確かな一歩 カチリ 響き合う街