
名前も知らない あの影が 今日も僕より 僕らしく 鍵を閉めても 灯を消しても 胸の奥で息をしている 壊れた時計は 時を刻み 失くした昨日を隠してく 目を覚ませば 知らない朝が待っている 鏡は今日も 口を閉ざし 映る瞳は 誰のもの 昨日の記憶は 霧に溶けて 欠けた欠片を 拾い集める 袖についた 紅い夕焼け なぜか涙が 止まらない 眠るたびに 足音が増える 振り返るたび 誰かが笑う 名前も知らない あの影が 今日も僕より 僕らしく 鍵を閉めても 灯を消しても 胸の奥で息をしている 壊れた時計は 時を刻み 失くした昨日を隠してく 目を覚ませば 知らない朝が待っている 乾いた風が 頬を撫でる 知らない道を 靴が選ぶ 誰のためでも ないはずなのに 手のひらだけが 震えていた 優しい声が 遠ざかるほど 静かな笑みが 近づいてくる 「ここは任せて」 耳元をかすめた囁きは 僕の声なのに 僕じゃなかった 消えた時間だけが 真実を知っている 割れた鏡を 繋ぎ合わせても 映る景色は ひとつじゃない 目を閉じるたび 誰かが目を開く 明けない夜を抱えたまま 今日も僕は歩いてゆく この身体には 帰る場所が二つある そして静かに 朝が何も知らず始まる

