
「振動源を止めなくても、伝わり方は変えられる」 Spoken:こんばんは。 今日も一日、おつかれさまでした。 あなたの脳をちょっとだけ賢くしてから おやすみ前の時間に、お返しします。 今朝、 ちっちゃいスピーカーで音楽を聴いてたんですよ。 机の上に置いてたら、 ドンドンドンドン…… って。 いや、ちっちゃいのよ? こんな小さいスピーカーなのに、 机がブルブル震えてる。 で、私のところまで、 低い音がけっこう響いてくる。 「なんでこんな響くんだろ?」 と思って、 ちょっと実験してみたんです。 まず、机にそのまま置く。 すると、 ブルブルブルブル。 机そのものが、 スピーカーみたいになってる。 じゃあ次。 文房具がいっぱい入ってる プラスチックのケースの上に置いてみた。 するとね、 机の振動は少し減った。 でも…… 音は、むしろよく響く。 「あれ?」 ですよ。 机はさっきほど震えてないのに、 耳にはよく響いてくる。 どうやらケースが、 ちっちゃな共鳴箱みたいになってるらしい。 じゃあ…… と思って。 今度は、 分厚い本の上に置いてみた。 すると。 …………。 ピタッ。 机が震えない。 さっきまでの ドンドンドンドンが、 急に静かになった。 面白い。 スピーカーは同じ。 音楽も同じ。 音量も同じ。 変えたのは、 間に何を挟んだか。 それだけ。 ここで私、 「防音って、こういうことか」 と思ったんですよ。 振動そのものを この世から消さなくてもいい。 伝わる途中で、弱くすることができる。 さらに調べていくと、 ノイズキャンセリングは また違う方法で。 来た音に対して、 反対向きの音を作って、 耳のところで打ち消していく。 だから飛行機みたいに、 ゴーーーーーー…… って、ある程度続く音なら、 その特徴をとらえて、 逆向きの波を作りやすい。 そこで私、 「あ。」 って思ったんです。 これ…… 人間関係も一緒じゃない? たとえば、 ものすごく圧の強い上司がいる。 ドーーーーン! って、毎日こっちに 振動を送ってくる。 そこで、 「この人を静かにさせなきゃ」 って考えると、 めちゃくちゃ大変じゃないですか。 だって、 振動源は、向こうにあるから。 でも今日のスピーカーは、 一度も変えてないんですよ。 変えたのは、 スピーカーと私の間。 だったら人間関係だって、 間に、 時間を挟む。 文章を挟む。 記録を挟む。 第三者を挟む。 ルールを挟む。 あるいは、 「この人、こういうとき こう言ってくるな」 と分かっているなら、 自分の中にあらかじめ 返事を用意しておく。 それって、 ちょっと人間関係の ノイズキャンセリングみたいじゃない? もちろん、 ひどいハラスメントなら 逃げたり、相談したり、 正式な手段を取ることが必要です。 でもね。 今日、小さなスピーカーを 本の上に置いてみて、 私はひとつ思いました。 振動源を止められなくても、 伝わり方は設計できる。 人から受けるものって、 相手の強さだけで 決まるんじゃないのかもしれない。 私とその人の間に、 何を置いているか。 そこは、 私が選べる。 ……ということを、 本日の先生、 小さなSONYのスピーカーに 教えていただきました。 そして本は、 読むだけではありません。 振動まで止めます。 ふふっ。 ということで、 今日も わたしが勝手に考えること。 今夜も、あなたの脳を、 ちょっとだけ心が振動するくらい賢くしてお返ししました。

