
低速道路の唸り 湾岸線の残響 橋脚の下で 夜が低く震える 橙色の橋脚群 湾岸出口の照明 助手席へ伏せられた 折れ曲がる道路図 料金所の残照 防音壁の熱源 ジャンクションの奥で 尾灯群が滲んでる エンジン音が 胸の奥へ重なる 排気熱の揺らぎ 高速分岐の標識 眠らない湾岸路が 深夜を引き延ばす 海は見えない ただ工場灯だけ 遠くの鉄骨へ 琥珀色に瞬いた 琥珀色の高架線へ 都市光が沈み込む 誰にも届かない声が 車線沿いを漂ってる 戻れないわけじゃない 戻りたくないだけ 加速していく夜の中 感情が遠心していく 見下ろした街は 小さな基盤みたいで ひとつずつ灯る窓が 知らない生活を映した 言い訳も約束も もう車内には残ってない ラジオの砂混じりだけ 沈黙を満たしている 琥珀色の高架線へ 夏の残像が沈む カーブを抜けた瞬間に 秋の気配が混ざった 誰にも届かない声を 夜景の奥へ置いていく 白線だけが真っ直ぐに 始発前へ伸びていた 遠ざかる料金所 湾岸路の残響 フロントガラスの端で 都市光が薄れていく

