[Verse] 山の深くに 女がひとり 薪を拾うて 暮らしてた 里へおりるは 滅多なことよ 名を知る者も ありはせぬ ある日 木こりが それを見た 背には大きな 薪の束 「あれこそは 怪力の女」 ひとつの噂が 里をゆく [Pre-Chorus] ひとりが語れば ふたりへ渡り ふたりが語れば 十になる 大岩ひとつを 持ち上げた いやいや 山さえ 動かした [Chorus] 大口叩いて 語れや 語れ 岩を砕くと 語るがよいよい 百の言葉が 山を越え この身にひとつ 宿ってく 試しに岩へと 手を掛けりゃ 何故だか 力が込み上げる 人の噂も 不思議なものよ ならば 砕いてみせようか [Verse] 角があるぞと 誰かが言った 大酒飲みと 誰かが言った 鉄の棒すら 片手に提げて 夜の山野を 歩くという 朝に髪など 梳いてみりゃ 櫛がこつんと 何かに当たる 仕込んだどぶろく 呷ってみれば あれよあれよと 喉奥へ [Pre-Chorus] 昨日はなかった 角ふたつ 昨日は飲めぬ 火酒でさえ 噂になるほど この身には 知らぬ力が 増えてゆく [Chorus] 大口叩いて 語れや 語れ 雷喰らうと 語るがよいよい 雲を裂くとも 空を飛ぶとも 好きなようにと 語るがよいぞ 百の言葉が 力と成り 千の噂が 体を成す 人ならざると 恐るれど この身はこれで 楽しもうか [Bridge] 山を砕くも 悪くない 長き命も 悪くない あぁ── 素晴らしきかな 我が生き様 [Final Chorus] 大口叩いて 語れや 語れ 山より高く 語るがよいよい 雷従え 風を踏み 月まで届くと 語るがよいぞ 百年 千年 朽ちぬ身と 恐れ慄き 語るがよい そら── 次なる噂を聞かせておくれ [Outro] 角ある女は 山に棲み 今宵もひとり 月を見る 名もなき怪異に 名を与え 畏れと共に 語り継ぐ 人智の及ばぬ 物ノ怪を いつしか人は 鬼と呼ぶ


