
昇降口の鉄の匂い 響く靴音が聞こえるたび 吐き出せなかったひと言が 奥歯のあたりでまだ軋む 笑ってやり過ごすたび 中身だけが削れていく 見せられないものばかり やけに今日もうるさい 飲み込んだままで 終われるほど器用じゃない 胸の奥で暴れる影が また壁を蹴っている きれいに消えないざらつき 喉の奥でまだ鳴ってる うまく笑えないままで 割れた音で叫びつづける 駅までの坂の風に 何度 吹き付けられても だれにも渡さなくていい ここにいる影を逃がすな 気付くと袖口をつかんでた ほどけるのが先かと思ってた やわらかいふりばかりして 心拍だけがやけに速かった あなたが黙ったあの場所に わたしもちゃんといた 隠していたものの形まで 不思議なくらい似ていた きれいに消えないざらつき 胸の奥でまだ鳴る だれかのためじゃなくていい その胸の火を消すな きれいに消えないざらつき 胸の奥でまだ鳴る うまく笑えないまま 欠けた熱を連れて行く 駅までの坂の風に どれだけ吹き付けられても だれにも渡さなくていい ここにいる影を逃がすな

