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手紙が届くころに …

静かすぎる夜の底で 言葉を落とさないように そっと 胸に手を当てた 君に届くはずもない想いを ひと文字ずつ たゆたわせて ページの上に やさしく落とす 朝が来るたび 胸が少し痛む 「またね」の声が まだ消えなくて あのときの君の仕草やまつげまで ありありと思い出してしまうの もしも少しだけ勇気があったなら その背中を呼び止められたのかな 恋を失う音さえ まだ耳の奥で響いてる 夢の中では いつも 変わらない笑顔のままの君で 目覚めるたび 涙がひとつ まぶたの裏を伝って落ちた 寂しさに くちびるを噛んで 名前だけ呼んでしまう 届かないってわかってるのに どうしても書かずにいられない 「元気ですか?」も「眠れてる?」も 全部 君に聞いてほしかった 誰もいない空に手を伸ばし あの日のぬくもりを探してる 君に逢えるなら 何もいらないよ この手紙が風に揺れるころ  写真の中の君は 時間を止めたまま微笑んで その優しさに触れるたび 胸の奥がきゅっとしめつけられる 置いていかれるみたいに 時だけが進んでいくけれど 置き去りにされた想いは まだ私を動かしてる 心の奥底でずっと 君の名前が灯ってる 会えない日々が伸びていくほど 愛しさばかり増えていくんだ 触れられない距離さえ 今は宝物に思えるの 夜空に瞬く星のひとつに 君がそっといる気がして 理由もなく涙がひらり 頬を伝って落ちた 「ありがとう」も言えないまま 「ごめんね」さえ遅すぎたけれど 君が笑った日々すべてが 今もわたしを支えてくれる 失くしたくない光だよ  言葉が足りなくて 愛し方も知らなくて ただ近くにいるだけで 全部伝わると信じてた 今ならちゃんと 胸の奥の想いを届けられるのに 時は戻らない それでも書き続けるよ  届かないって知ってるけれど 君へ歌を贈りたくて この声が風に溶けたとしても どこかで君に触れる気がする 胸の奥で鳴り響く鼓動は 君と生きた証そのもの もう一度 君を想うたび 涙も優しさに変わっていく 願いがいつか届くように 滲む文字をそっとなぞる 「さよなら」さえ言えなかった日から まだ続いてる わたしの手紙