
金網越しに 忍び込んだら 乾いた風が スカート揺らす 水のないプール ひび割れた底 枯れ葉だけが カサカサ 泳いでる 賑やかだった 8月の声 今は幻 遠い耳鳴り 剥(は)がれかけた 青いペンキは 空の色さえ 忘れたみたいね ここは 時間の止まった遺跡 誰も知らない 秘密の場所よ コンクリートの 冷たい淵(ふち)に 腰掛けて 足をブラつかせる 私はひとり 秋の迷子ね 排水溝に 詰まった嘘も 日差しに干され 消えてしまえ あなたからの 手紙みたいに 白く乾いて 砕けてしまえ 冬が来れば 雪が積もって 真っ白なシーツ かけるでしょう それまでは この空洞(うつろ)なまま 眠らせていて もう少しだけ ここは 時間の止まった遺跡 誰も知らない 秘密の場所よ コンクリートの 冷たい淵(ふち)に 腰掛けて 足をブラつかせる 私はひとり 秋の迷子ね
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