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もう一つの存在【装甲戦士ガルド14】

V5.5

[Intro] 静まり返った 空気の中 何かが 変わった [Verse] 遺跡の中に 残った静けさ 壊れた世界が 息をひそめる 終わったはずだと 思ったその時 何かがすぐそばで 笑った気がした [Pre-Chorus] 知らないはずなのに 知っているような この感覚が 胸をえぐる [Chorus] お前は誰だ どこから来たんだ 答えもないまま 呼ばれている 何かの方へ [Post-Chorus] Inside… Inside… [Verse 2] 無邪気な声で 突きつけられた ありえない言葉 「同じだね」と 俺の中に 何がいるんだ 答えられない でも分かってる [Pre-Chorus] 逃げられないこと 気づいてしまった この道はもう 引き返せない [Chorus] 俺は誰だ この命は 何の続きだ 間違いでもいい 進むしかない ここにいるなら [Bridge] 手が届かない 初めて知った 足りない自分を [Breakdown] ……まだ足りない [Build-Up] それでも 止まれない [Final Chorus] 俺の中に 誰がいるんだ それでも今 歩き続ける 答えはきっと この先にある そう信じて [Outro] 静かな闇が すべてを包む [Ending] まだ終わらない 【Episode Story】 【第14話・もう一つの存在】 遺跡の研究施設の奥。戦いの余韻だけが残っていた。倒れたオルディアの群れ。崩れた装置。静まり返った空間。主人公はゆっくりと息を吐く。青い装甲が、わずかに光を帯びている。父が周囲を見渡す。 「……終わった…のか」その時だった。――空気が変わる。音が、消えたような感覚。微かな音すら、遠のく。主人公の背筋に、冷たいものが走る。 「……!?」 ゆっくりと振り向く。そこに――いた。崩れた石柱の上。ひとりの少年が、足をぶらぶらと揺らしている。青い髪。無邪気な表情。場違いなほど、軽い存在。主人公の鼓動が強くなる。 (……誰だ)だが同時に。胸の奥がざわつく。初めて会うはずなのに――どこかで、知っている。言葉にならない違和感。主人公は思わず呟く。 「……なんだ、この感じ」 少年はくすっと笑う。 「やっぱり」軽い声。 「同じだね」 主人公は思わず声が出る。 「君はいったい…」 少年は主人公を見る。 「へー。思ったより強くなったね」 「でも、まだまだだね」主人公の表情が強張る。 「……お前、誰だ」少年は少しだけ首を傾げる。そして、楽しそうに笑った。 「ぼく?」一拍。 「ぼくはオルディアだよ」静かな声。 「『始まり』のね。人間たちは、ぼくのことを『オルディアの王』なんても呼んでたね」 空気が凍る。父が息を呑む。 「何…だと…」主人公の心臓が強く鳴る。オルディアの王と名乗った少年は主人公をじっと見つめる。観察するように。そして、ふっと笑う。 「……ああ。そういうことか」目が細くなる。 「君の中にいるね」 一拍。 「ぼくの兄弟が」――時間が止まる。主人公の目が見開く。 「……は?」父も言葉を失う。主人公の胸の奥がざわつく。理解できない。だが――否定できない。少年は楽しそうに続ける。 「懐かしいな」 「まさかこんな形で残ってるなんて」 主人公が一歩踏み出す。 「何を言ってる」少年は答えない。ただ見ている。興味深そうに。 しかし、次の瞬間。 「でもまだだよ」静かな声。 「まだ、足りない」見えない力が弾けた。主人公の体が吹き飛ぶ。床を滑り、壁に叩きつけられる。鈍い衝撃音。 父が叫ぶ。 「――!」衝撃で主人公の変身が解けた。何が起きたか理解できない。息が荒い。だが目は逸らさない。少年はゆっくりと歩いてくる。まるで散歩のように。 「でも」少しだけ嬉しそうに。 「ちゃんと進化してる」主人公を見下ろす。 「ふふ。今ので壊れないなんて。前のガルドより強くなってるね」無邪気な様子で続ける。 「あ、前というのは数千年前のガルド…ぼくの弟のことだよ。そのとき弟と戦った(遊んだ)ときだよ。あれも楽しかったな。」 主人公の拳が震える。理解できない何かが、胸の奥で揺れる。少年はくすっと笑う。 「いいね」 「今回のガルドも壊しがいがある」さらに一歩、距離を詰める。主人公は動けない。少年がゆっくりと手を上げる。 「じゃあ――終わりにしようか」少年がゆっくりと手を上げる。 その瞬間。――パンッ!乾いた破裂音。白い煙が一気に広がる。視界が、完全に遮断される。 「……!?」父があたりを見回す。主人公も一瞬、目を見開く。 「こっちだ!」煙の中から声が飛ぶ。遺跡の外で万が一に備えて待機していた記者だった。 主人公の腕を強く掴む。 「動けるか!」 父も引き寄せられる。三人は煙の中を後退する。瓦礫を踏み越え、崩れた通路を抜ける。主人公の視界が揺れる。呼吸が乱れる。 「……ぐっ……」膝が崩れかける。記者が肩を貸す。 「しっかり!」父も反対側から支える。 「もう少しだ!」煙の奥。 ――静かに立つ影。煙の向こう。青髪の少年は、その場から動いていなかった。ゆっくりと目を細める。 「ふーん」小さく笑う。 煙越しでも、すべて見えている。逃げていく三人の位置も、その様子も。だが、追わない。一歩も動かない。ただ――見ている。 「まあ、いいか」楽しそうに。 「その方が、面白いかな」煙の向こう。主人公の意識が途切れかける。視界が暗く沈む。 最後に見えたのは――こちらを見つめる、少年の目。 主人公(……あいつ……)意識が落ちる。力が抜ける。記者が体を抱え直す。 父が叫ぶ。 「急げ!ここから離れるぞ!」三人は遺跡の外へと脱出する。崩れかけた遺跡の入口。主人公は意識を失ったまま、運ばれていく。その背後。遺跡の奥。 煙がゆっくりと晴れていく。静寂の中。青髪の少年だけが残っていた。崩れた空間を見上げる。どこか懐かしむように。そして、少しだけ笑う。 「今日はここまでかな。でも…」 視線が遠くへ向く。去っていった方向。 「次に会うときは」 一拍。 「もっと強くなって、もっとぼくを笑顔にしてね。あと…」楽しそうに。 「ぼくの弟にもよろしくね」 そして、少年は闇に消えた。