
朝と夜のあいだで 風が生まれる 誰の声でもない声が 空を染めてゆく 壊れた鐘が鳴り止まぬまま 眠らぬ世界を包んでいた 涙も 怒りも 祈りのかけら 拾い集めて 風に放つ 神よ もしもこの手が 誰かの夢に触れるなら 願いじゃなく ただの光として ひとつの命を照らしたい 祈りは名を持たず それでも確かに息をする 境(さかい)を越えて混ざり合う それが世界のかたち 月は沈み 街は祈りの残像 誰かの影が 誰かの明日を照らす 憎しみも愛も すべて燃やして 灰の中から花が咲く 神よ もしも沈黙なら その静けさを響きとせん 言葉を超えて伝わるもの それを平和と呼ぼう 祈りは環(わ)のように巡り 海を渡り 星を結ぶ この聲(こえ)が風に溶ける時 世界は少しやわらぐ 誰のためでもない祈りが やがて すべてを包む 朝と夜のあいだで まだ見ぬ空が生まれる

