午前二時 時計が止まって カーテンだけが息をしてる 眠れないまま目を閉じたら 知らない駅に立っていた 空には逆さまの海 魚たちが星を泳ぐ 名前のない白い電車が 音も立てずにやってくる 行き先なんて書いてない なのに不思議と怖くない 窓の向こうで月明かりが 僕をどこかへ呼んでいた 月の裏側で 君に会えた気がした 触れた指のぬくもりだけ なぜか今も覚えてる 夢なら醒めないで 現実なら消えないで 夜と朝の境界線で 僕は君を探してる 透明な雨が降る街 傘を差す人は誰もいない 濡れたはずのこの両手に 小さな星が咲いていた 空へ続いていく階段 一段ずつ色が変わる 振り返れば僕の影が 子供の頃の僕になった 忘れてきたものたちが 遠くで手を振っている あの日言えなかった言葉まで 光になって浮かんでる 月の裏側で 君の声を聞いたんだ 「ここにいるよ」と笑うたび 世界が少し透き通る 夢なら醒めないで 幻でもかまわない この夜が終わるその前に もう一度だけ会いたい 星を踏んで 雲を抜けて 夜の底へ落ちていく 上も下も 過去も未来も 全部溶けてしまえばいい もし朝が来たら 君を忘れてしまうのかな それなら今 この瞬間を 心の奥に隠しておこう 月の裏側で 確かに君と出会った 世界中が夢だとしても あの笑顔だけは嘘じゃない 夢から醒めても まだ夜の匂いがする 開いた窓の向こう側 白い月が浮かんでる 午前二時 止まった時計が 静かにまた動き出す 枕元にはなぜだろう 小さな星が ひとつ光っていた


