【Intro】 雨が降る 雨が降る 街の輪郭が ひとつずつ ほどけてゆく 【Aメロ】 信号の赤が 水に溶けて 知らない街の色になる 誰かの声も 靴音も 厚い雨幕(うまく)に消えてゆく 傘を閉じた 濡れるまま 頬を伝った雫さえ 今日の私の飾りにして 【Bメロ】 見慣れたはずの窓も 名前のない景色になる 遠ざかる世界の向こう 何かが かすかに鳴った 【サビ】 雨よ もっと降ればいい 私の輪郭を消して 昨日までの私なんて 滲んだ街に置いてゆく 濡れた髪も 濡れた頬も 今夜だけの化粧にして 晴れるのを待つためじゃない この雨の中を歩いてゆく 【A'メロ】 水溜まりに映る顔が 少し知らない人に見えた 笑っていた頃の私も 泣いていた頃の私も 流れる水に重なって どこへ行くのか分からない それでも足跡だけは 水面(みなも)を震わせて残る 【B'メロ】 街灯が滲んで 空と地面の境をなくす 上も下も分からない夜 ただ 鼓動だけが確かだった 【サビ】 雨よ もっと降ればいい 世界をぼかしてしまえばいい 見えなくなったものの中に 見つけられるものもある 濡れたままのこの身体を 隠さずに纏ってゆく 明日が晴れるかどうかなんて 今はまだ知らなくていい 【Cメロ】 雨音(あまおと)だけが 世界との間に壁を作る 誰にも届かない 誰にも届かない その静けさの底で ひとつ またひとつ 何かが零れてゆく 【落ちサビ】 それは涙じゃなかった それは昨日でもなかった 名前をつけるには まだ少し早いもの だから私は ただ歩いた 【ラスサビ】 雨よ もっと降ればいい 私の輪郭を消して 消えたのではないと いつか分かる日まで 濡れた髪も 濡れた頬も この夜だけの化粧にして 世界が滲んだその向こう 新しい景色が待っている 晴れるのを待つためじゃない 雨の中だから見えるものを 抱いたまま 歩いてゆく 【Outro】 雨が降る まだ降っている 滲んだ街の その底で 遠く 何かが鳴った