
ライブ終わって 午前零時 機材を積んで 腹が減った 国道沿いのファミレスへ いつもの席に 三人で ドリンクバーを三往復 ポテトひと皿 山分けして 「今日の二曲目 速すぎた」 「お前のカウントが速いんだ」 客は七人 俺らは三人 さっきまでなら大事件 今はどうでもよくなって ケチャップだけが減っていく 赤信号が 窓に滲んで トラックばかり 走ってく 眠くない 帰りたくない 理由なんか ないけれど 国道沿いのファミレスで 朝までくだらない話をしよう 売れるとか 売れないとか 今夜くらいは置いといて 国道沿いのファミレスで 笑ってコーラを飲み干して 何にも決まってない俺らが 次の曲だけ決めている 「もしも百万あったなら?」 「とりあえずアンプを買い替える」 「残った金は?」 「弦を買う」 「お前それ何セット買うんだよ」 隣のテーブル誰もいない 店員さんも少し眠そう 窓の向こうの国道だけが ずっと同じ速さで流れてる 伝票の裏に曲名を書いて ダサい ダサくない 揉めている 三十分後に見返したら 三人揃って「これはない」 午前三時 コーヒー四杯目 話すことなら まだ尽きない 明日のことは 分からないけど 次のスタジオ 火曜日な 国道沿いのファミレスで 朝までくだらない話をしよう 夢だとか 才能だとか そんな話じゃなくていい 国道沿いのファミレスで 笑ってポテトを取り合って 世界を変える気はないけど 次の曲なら作れそうだ 午前四時半 窓の向こうが 少し青くなる 「そろそろ帰る?」 …… 「もう一杯だけ」 国道沿いのファミレスで 朝までくだらない話をしよう 客が七人だった夜も いつか笑って話すだろ 国道沿いのファミレスで 三人だけで笑っている 何にも持ってない俺らには こんな夜くらいあればいい 空が明るくなってきた トラックの音が増えてきた 伝票だけが長くなって 次の曲だけ 決まってた ©️ytsgax

