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クスノキの社 🌳

V5.5

クスノキの社 🌳 鳥居に続く石の階段 夏の影がゆれている スマホを握る手 首筋を汗が伝う セミの声がついてくる 最後の段を踏む 小さな鳥居の先 風のとおり道を見つける 羽を広げて浮かぶ鳥 ぐるっと目で追う 鳥居の向こうで 真っ青な海が広がっていた 固く締まった地面 小さな神域 クスノキの匂い どこか似ている 高い体温で 遊んだ場所 クスノキを見上げて 目を閉じる 風の駆ける音 鳥に呼ばれる 鼓動を数える 小さな手だった 数え終わって みんなを探す 狛犬の台座 祭り待ちの屋台 大きな木の後ろで しゃがんでいた 後ろから捕まえる 二人で笑った 木の上からくすくすと 透きとおる声がして クスノキの匂いが濃くなった 目をそっと開け 瞳に今を映す 不意に目が合う クスノキは笑っていた