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楽しみにしてただけなのに

V5.5

何日前から数えてたと思う? どの店に行こうか考えて 欲しいものを指折り数えて その日が来るのを待っていた 売り切れるかもしれないから 少し早めに家を出よう そんな小さな作戦さえ 僕らには楽しかったんだ 今日やっと手に入れた 三つの湯呑み 袋を開けた瞬間 本当に嬉しかった 次はお皿だって 全部集めるつもりだった ただ好きだった ただ楽しみにしてた それだけなのに どうして僕らの楽しみまで 奪われなくちゃいけないんだ ルールを守って待っていた たくさんの人がいたんだよ 欲しかったのは 高く売るための宝物じゃない 好きだから 手元に置きたかった ただそれだけだったんだ 始まる前から 知らない場所に並ぶグッズ 画面を見ながら 嫌な予感はしていた 「どうして?」 「まだ始まってないのに」 疑問ばかりが増えていく そして届いた キャンペーン中止の文字 楽しみにしていた予定が 一瞬で消えていった ふざけるなよ 僕らはちゃんと待ってたんだ 決められた日まで 決められたルールで 欲しいものがあったって 我慢して待ってたんだ その当たり前を守った人が どうして悲しまなきゃいけない 僕らが欲しかったのは 転売される値札じゃない あの子たちを見て 「かわいい」って笑える そんな時間だったんだ お皿を並べて どれが一番好きか話して 湯呑みにお茶を入れて ちょっと嬉しくなる そんな未来を 楽しみにしてただけなのに 一人の行動が 何人の楽しみを消すんだろう 顔も知らない誰かが 今日どこかで泣いている 子どもだって 大人だって この日を待っていた人がいる その気持ちだけは 忘れないでくれよ 怒ってる 本当に怒ってる でも 好きなものまで 嫌いになりたくない 悪いのは 好きになった僕らじゃない だから今日手に入れた 三つの湯呑みを いつもより少し 大切にしまった 幻になったお皿も 集めたかった景品も 悔しいよ そりゃ悔しいよ だけど僕らの「好き」まで 誰にも奪わせない 楽しみにしてたんだ ただ 楽しみにしてたんだ その気持ちを踏みにじることが どれだけ悲しいことなのか どうか忘れないでほしい そしていつかまた 今度こそみんなが 同じスタートラインから 笑って集められる日を 僕は待ってる