箱の中で眠ってた 白いスニーカーを取り出した 「特別な日に履こう」なんて 買ったのは去年の春だった 特別な日って何だろう 誕生日? 記念日? 誰かに褒められた日? 考えてたら一年経って 靴だけずっと新品だった 今日は何にもない日 約束も予定もない だからちょうどいいや 新品の靴を汚しに行こう 水たまりくらい踏んでしまおう 綺麗なままで終わるより 笑える傷を増やしていこう 行ったことのない道へ 曲がったことのない角へ 目的地なんて決めないで 今日は僕を 連れ出してみよう 商店街で犬に吠えられて 知らない子どもに笑われた 百円落として追いかけたら 自転車のおじさんが拾ってくれた 「兄ちゃん、落としたぞ」 たったそれだけなのに なんだか嬉しかった 公園で買った缶コーヒー ベンチは全部埋まってたから 立ったまま飲んだ 別に映画みたいじゃない でも 悪くないな 新品の靴を汚しに行こう 予定外なら大歓迎 うまくいかない一日だって 帰る頃には僕のもの 誰にも見せない人生なら 格好なんてつけなくていい 泥が跳ねた 笑ってしまった やっと今日が 始まった気がした ずっと僕は 準備ばかりしてた いつか笑えるように いつか強くなったら いつか自信がついたら その「いつか」が来るまで 人生に触らないようにしてた でも違った 生きてから 笑えるようになるんだ 転んでから 立ち方を覚えるんだ 怖いままで ドアを開けてもいいんだ Run with me No perfect day No perfect time No perfect version of myself I wanna feel it I wanna live it 今日を今日のまま 使い切りたい 新品の靴を汚しに行こう 雨が降ったらもっといい 昨日まで避けていた場所へ 今日は自分から飛び込もう 失敗したって持って帰ろう それも僕のお土産だ 綺麗じゃなくていい ちゃんと僕が 歩いた靴がいい 夕方 玄関で靴を脱いだ つま先には泥 横には小さな擦り傷 朝よりずっと 格好悪くなっていた なのに 朝よりずっと 好きになっていた 明日は どこを汚しに行こう


