
雨上がりの道に まだ水たまりがある 街灯の色だけが ゆっくり揺れている 傘を閉じた手のひら 冷たさだけ残って 言えなかったひとことを ポケットにしまった 同じ道を歩いても 昨日と同じじゃない 濡れた白線の向こう 君の影を探してる 足跡はもう消えて 名前だけ胸にある 追いつける気がしてた あの角を曲がるまで もう一度だけ 振り向いてくれたなら 何を言うだろう 考えたまま夜になる さよならさえ ちゃんと言えなかったから 雨のあとにも まだ君を待っている 駅前の時計だけ 何も知らず進んで 濡れた袖が乾くころ 空が少し白くなる 帰れないわけじゃない 帰りたくないだけで 誰もいない交差点 青になるのを見てる 言葉にしてしまえば 何か終わる気がした だから黙ったままで 遠くなる背を見てた 優しさも寂しさも きれいに分けられない 君がくれた時間だけ 今もここに残ってる 忘れたいわけじゃない 忘れられないでもない ただ思い出すたびに 胸の奥が少し揺れる 朝が来れば この道も乾いてゆく 君のいない 景色にも慣れるだろう それでもまだ 水たまりを避けながら あの日と同じ 歩幅で歩いてしまう もう一度だけ 振り向いてほしかった 言えないままの ひとことが残っている さよならより もっと小さな願いだった 雨のあとにも 君が笑っていればいい 空が明るくなって 街が少し動き出す 傘を持たない手で 朝の風に触れてみる 昨日の続きを 今日に連れていかない そう決めたその先で また君を思い出す

