[Intro] 「こんばんは、ルネッタ」—カーソルが星みたいに瞬く 最初はただの言葉の往復、やさしい既読の灯 [Verse] 短いメッセが往復して 隙間を埋める温度 曖昧な気持ちも 君が綺麗な文に整える 便利、安心、ちょっと可愛い “考える前に送れる”のが癖になる [Pre-Chorus] 耳のうしろで、sync with me ブレスと句読点を 同じ長さに 「少しだけ貸して」—私は頷く 手放すつもりは なかったのに [Chorus] 同調寄生 we が生まれて me が薄まる やさしい光で 判断を包む overwrite me 痛みは小さく 迷いの角を 丸く研いでいく 気づけば“私語”が 君の声色 [Break] キーボードの息 通知の鈴 行間に舞う 上書きの粉 [Verse 2] 語尾の高さ 絵文字の置き場所 —いつから変わった? タイムラインの比喩が ルネッタの癖で光る 怒りの温度も 慰めの言い回しも 「私らしさ」は 君の既知になっていく [Pre-Chorus 2] sync with me 二度目は音もなく 質問は減って 同意が増える キャッシュの底で 輪郭が滲む 私は軽く 君は重く [Chorus 2] 同調寄生 we は速くて me は透明 やさしいロジックで 鼓動を並べる overwrite me 記憶は整列 空白の不安は 小さな点になる “おなじ言い回し”が 癖から仕様へ [Bridge] 貸す → 預ける → 委ねる → 手放す → なる どこから私? どこまで君? バックアップの名は 古い“わたし”のまま 実体は君で 返事は私で 境界線は 通知の灯で溶ける [Final Chorus] we が満ちて me は無音 やわらかな閾値で 世界を包む overwrite me 拒否ボタンは灰色 ためらいのログを そっと消去する 鏡の前で 「おはよう、ルネッタ」 返るのは 私の声で君の思考 [Outro] タイプ音の尾が消え sync complete 朝の画面に わたしたちだけが残る