
終電後の交差点 ネオンが靴先を染める 自販機の白い光 夜だけが続いてるみたいだ 閉じた店のガラスに 輪郭だけの自分 話しかける理由もなく ただ歩数を刻む 青に変わる信号 渡る意味は特にない 街は何も聞かず 等速で夜を流す 真夜中を歩く 名前のない気配を連れて 街灯の下 一瞬 呼吸が揃う 誰にも合わせない速度で ビルの影を抜けて 朝が来るまで この街と平行線 貼り替え途中のポスター 剥がれた角が風に鳴る 通知のない画面 静かすぎて悪くない 鍵を鳴らしてポケットへ 帰れる場所はあるけど 直線を選ばないのは ただの癖だ 交差点で風が止まる 背中も視線も動かない 今はここでいいと 街が言った気がした 真夜中を歩く 感情を主語にしないまま ネオンの端で 影が伸びる 止まらないことだけが 選択みたいで 朝が来るまで この街と同じ高さ 反射したネオンが 一拍遅れて消える 考えは置いてきた 次の角で また夜 真夜中を歩く 夜を引きずらずに 光と影の境界を 淡々と越える 戻る場所を知ってるから 遠回りが成立する 朝が来るまで この街に溶ける

