
【Carryover Note】 (前曲(ぜんきょく)から続(つづ)く 一本(いっぽん)のヴァイオリン) Voice Airy: 花(はな)に見送(みおく)られ 踏(ふ)み出した道(みち) Voice Fierce: 振(ふ)り返(かえ)るな もう始(はじ)まっている Duo: 摩廬山(まろざん) 正寿院(しょうじゅいん) 焼山寺(しょうさんじ)へ 【Phase Zero:Mountain Pulse】 (九十六(きゅうじゅうろく) BPM) 湿(しめ)った土(つち) 苔(こけ)むした石(いし) 一歩(いっぽ)ごとに 靴底(くつぞこ)が重(おも)くなる 登(のぼ)ったと思(おも)えば また下(くだ)り 下(くだ)った先(さき)に もっと高(たか)い山(やま) 柳水庵(りゅうすいあん) 一本杉庵(いっぽんすぎあん) 名前(なまえ)だけが 道(みち)の途中(とちゅう)に残(のこ)る 遍路(へんろ)ころがし 転(ころ)ばされるのは 身体(からだ)だけじゃない 自分(じぶん)なら行(い)けるという 小(ちい)さな自信(じしん)まで 何度(なんど)も 試(ため)されていく 【Fire Signal】 Voice Fierce: 引(ひ)き返(かえ)せ Voice Airy: まだ進(すす)める Voice Fierce: ここから先(さき)は おまえの道(みち)じゃない Voice Airy: 道(みち)は 恐怖(きょうふ)が決(き)めるものじゃない Voice Fierce: 燃(も)やしてしまえ Voice Airy: 水(みず)は 静(しず)かに流(なが)れている 【Phase One:The Burning Mountain】 (百五十四(ひゃくごじゅうよん) BPM) 寺伝(じでん)では 弘法大師(こうぼうだいし)が 山(やま)へ入(はい)ろうとしたとき 大蛇(だいじゃ)が炎(ほのお)を吐(は)き 全山(ぜんざん)を火(ひ)で包(つつ)んだ 木々(きぎ)が赤(あか)く染(そ)まり 空(そら)まで熱(ねつ)に揺(ゆ)れる 足(あし)を止(と)めろと 炎(ほのお)が叫(さけ)ぶ ここで終(お)われと 山(やま)が迫(せま)る Voice Fierce: 怖(こわ)いなら 逃(に)げればいい Voice Airy: 怖(こわ)いからこそ 一歩(いっぽ)を選(えら)ぶ Voice Fierce: 勝(か)てると 思(おも)っているの? Voice Airy: 勝(か)つためだけに 登(のぼ)るんじゃない 【Water Seal】 (ドラム停止(ていし)) 麓(ふもと)の 垢取川(こりとりがわ) 燃(も)える山(やま)を前(まえ)に 身(み)を清(きよ)める 摩廬(まろ) それは 水輪(すいりん)の意味(いみ) 炎(ほのお)より 大(おお)きな炎(ほのお)で戦(たたか)わない 怒(いか)りより 強(つよ)い怒(いか)りを返(かえ)さない 静(しず)かな水(みず)の印(いん)を結(むす)び 真言(しんごん)を唱(とな)える Voice Airy: 消(き)えろと 命令(めいれい)しない ただ 進(すす)む場所(ばしょ)を空(あ)けてほしい Voice Fierce: 炎(ほのお)の中(なか)へ 本当(ほんとう)に行(い)くの? Voice Airy: 炎(ほのお)の外(そと)に 道(みち)がないのなら 【Phase Two:Ninth Station】 (百七十六(ひゃくななじゅうろく) BPM) 九合目(きゅうごうめ) 岩窟(がんくつ)が 黒(くろ)い口(くち)を開(ひら)く 隠(かく)れていた影(かげ)が 大(おお)きな姿(すがた)になる 大蛇(だいじゃ) 山(やま)を焼(や)いたもの 人々(ひとびと)を怖(おそ)れさせたもの 逃(に)げ道(みち)を塞(ふさ)ぎ 目(め)の前(まえ)に立(た)つもの Voice Fierce: ここがおまえの 限界(げんかい)だ Voice Airy: 限界(げんかい)は まだ決(き)まっていない 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ) 暗闇(くらやみ)より広(ひろ)い智慧(ちえ) 空(そら)より深(ふか)い記憶(きおく) 大師(だいし)は祈(いの)り 大蛇(だいじゃ)を岩窟(がんくつ)へ封(ふう)じたと この山(やま)に いまも伝(つた)わっている 【False Victory】 (全楽器(ぜんがっき)が止(と)まる) …… (二秒(にびょう)の静寂(せいじゃく)) 【The Serpent Within】 Voice Airy: 終(お)わった? Voice Fierce: まだだ 岩(いわ)の中(なか)へ 封(ふう)じられた大蛇(だいじゃ) けれど 胸(むね)の中(なか)で まだ何(なに)かが燃(も)えている 失敗(しっぱい)したら どうしよう 笑(わら)われたら どうしよう 選(えら)んだ道(みち)が 間違(まちが)っていたら 戻(もど)れなくなったら Voice Airy: 大蛇(だいじゃ)より 近(ちか)くにいた Voice Fierce: 炎(ほのお)より 長(なが)く燃(も)えていた Duo: 私(わたし)の道(みち)を 決(き)めようとしていたのは 私(わたし)の中(なか)の 恐怖(きょうふ)だった 【Role Reversal】 Voice Airy/Fire: やめておこう 今日(きょう)じゃなくていい 準備(じゅんび)が足(た)りない もっと強(つよ)くなってから Voice Fierce/Water: 怖(こわ)さは 消(き)えなくていい 震(ふる)える足(あし)でも 一歩(いっぽ)は一歩(いっぽ) 完璧(かんぺき)な勇気(ゆうき)を 待(ま)たなくていい いま持(も)っている 小(ちい)さな勇気(ゆうき)で 次(つぎ)の石(いし)へ 足(あし)を置(お)け! 【Only Chorus】 Duo: 炎(ほのお)に 道(みち)を決(き)めさせない! 恐怖(きょうふ)に 明日(あした)を選(えら)ばせない! 怖(こわ)さを連(つ)れて 火(ひ)を越(こ)えていけ! 震(ふる)える声(こえ)でも 歌(うた)えると知(し)った! 勝(か)つことだけが 強(つよ)さじゃない! 逃(に)げたい心(こころ)と 一緒(いっしょ)に進(すす)め! 炎(ほのお)に 道(みち)を決(き)めさせない! この一歩(いっぽ)は 私(わたし)が決(き)める! 【Eighth Station】 (重(おも)いテンポへ戻(もど)る) 焼山寺山(しょうさんじやま) 標高(ひょうこう) 九百三十八(きゅうひゃくさんじゅうはち)メートル その八合目(はちごうめ) 数百年(すうひゃくねん)を生(い)きる 杉(すぎ)の巨木(きょぼく)が並(なら)ぶ 枝(えだ)の間(あいだ)を 冷(つめ)たい風(かぜ)が抜(ぬ)ける あれほど燃(も)えていた 胸(むね)の中(なか)に 静(しず)かな空間(くうかん)が ひとつ生(う)まれる 恐怖(きょうふ)が なくなったわけじゃない ただ恐怖(きょうふ)を 閉(と)じ込(こ)める場所(ばしょ)を 自分(じぶん)の中(なか)に つくることができた 【Three Faces】 中央(ちゅうおう)に大黒天(だいこくてん) 右(みぎ)に毘沙門天(びしゃもんてん) 左(ひだり)に弁財天(べんざいてん) 三(みっ)つの顔(かお)を持(も)つ 三面大黒天(さんめんだいこくてん) ひとつの答(こた)えだけでは 越(こ)えられない日(ひ)がある 強(つよ)さも 智慧(ちえ)も 人(ひと)を喜(よろこ)ばせる音(おと)も 全部(ぜんぶ)を持(も)って 明日(あした)へ向(む)かう 【Beyond the Temple】 山(やま)は 登(のぼ)って終(お)わりじゃない 今度(こんど)は 一歩(いっぽ)ずつ下(くだ)っていく 焼山寺(しょうさんじ)から およそ一・六(いってんろく)キロ 杖杉庵(じょうしんあん) 伝承(でんしょう)では 弘法大師(こうぼうだいし)を追(お)い続(つづ)けた 衛門三郎(えもんさぶろう)が 長(なが)い巡礼(じゅんれい)の果(は)てに 大師(だいし)と出会(であ)った場所(ばしょ) もう遅(おそ)いと 諦(あきら)めていたら 出会(であ)えなかった 最後(さいご)の時間(じかん) 道(みち)は 間違(まちが)いを消(け)さない それでも 謝(あやま)りに行(い)くことはできる 過去(かこ)は 歩(ある)き直(なお)せない それでも これからの向(む)きは変(か)えられる 【Single-Note Ending】 Voice Airy: 怖(こわ)くても Voice Fierce: 遅(おそ)くても Duo: 私(わたし)の道(みち)は 私(わたし)が決(き)める まだ―― 進(すす)める! (アカペラの高音(こうおん)一音(いちおん)) (ハードカット)

