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『うちのクラス、たぶん大丈夫』

V5.5

[Intro] 午前八時 校庭 白線 テント 万国旗 先生が叫ぶ 「三年二組ー! 集合ー!」 「はーい!」 五人 先生 「……もう一人は?」 「焼きそば 買いに行きました」 「まだ店 開いてないわ!」 [Verse 1] 六人目が 走ってくる 「ごめん!」 「どこ行ってた!?」 「購買!」 「焼きそばは!?」 「なかった!」 「当たり前や!」 今日は 高校最後の体育祭 委員長が 紙をひらく 「いい? リレーの作戦確認するよ」 「はい!」 「第一走者は――」 「あっ」 「何?」 「ゼッケン 前後ろ逆」 「今!?」 [Verse 2] 百メートル走 位置について よーい パン! 一人だけ 動かない 「走れーーー!」 「え!?」 「始まってる!」 「今の練習じゃないの!?」 「本番やーーー!」 走る 遅れて走る めちゃくちゃ走る 帰ってきた 「何位!?」 「六位!」 「何人!?」 「六人!」 「言わんでええ!」 [Pre-Chorus] 次は 綱引き 「せーの!」 全員 後ろへ 「もっと引け!」 「引いてる!」 「腰落として!」 「落としてる!」 「もう無理!」 「まだ三秒!」 「長いわーーー!」 ピーッ! 全員 尻もち 一秒 顔を見る 笑う 「弱っ!」 「誰がや!」 「全員や!」 [Chorus] うちのクラス たぶん大丈夫 速いやつ そんなにいない 力あるやつ そんなにいない 作戦立てても だいたい崩れる それでも 転んだら 三人笑って 残りの三人が 手を出してくる 笑ってる三人も あとから 手を出してくる 「遅いわ!」 「ごめんごめん!」 [Verse 3] 昼休み ブルーシート おにぎり 唐揚げ 卵焼き 「それ誰の?」 「俺の」 「唐揚げ一個ちょうだい」 「嫌」 「一個!」 「嫌!」 「友達やろ!」 「こういう時だけ 友達使うな!」 横から ひょい 「あっ!」 「もーらった!」 「お前かーーー!」 六人 追いかける 先生 「午後の競技まで 体力残しとけーー!」 [Verse 4] 午後二時 クラス対抗リレー 今度は さっきまでと 空気が違う 第一走者 靴ひもを結ぶ また結ぶ 「さっき結んだやろ」 「念のため」 「もうええって」 また触る 「触るな!」 第二走者 「バトン 右手な」 「分かった」 「右やで」 「分かったって!」 スタート位置へ 「……どっちが右?」 「そこから!?」 [Pre-Chorus 2] パン! 今度は 全員走る 「行けーー!」 「速い速い!」 「三組来てる!」 「後ろ後ろ!」 「後ろ見んな!」 「前見ろーー!」 バトン 一人目から 二人目 二人目から 三人目 三人目 転ぶ 「あっ!」 校庭に バトンが転がる [Break] 一秒 二秒 拾う 立つ 走る 後ろから 「行けーーー!」 一人 「まだいける!」 二人 「走れ走れ!」 気づけば 六人とも 叫んでる [Chorus] 順位なんか もう見てない 前の背中だけ 追いかけて 渡す 受け取る また走る 誰かが遅れた分を 誰かが少し戻して 誰かが転んだ分まで みんなで 声を出す 最後の一人へ バトン 「頼んだ!」 「任せろ!」 走る 五人が 横で走る 先生 「お前ら コース入るなーーー!」 「すみませーーん!」 [Final Chorus] ゴール! 六人 集まる 「何位!?」 「分からん!」 「勝った!?」 「知らん!」 「でも速かった!」 「誰が?」 「最後!」 「俺?」 「たぶん!」 「たぶんかよ!」 肩を叩く 背中を叩く 一人が しゃがむ 「疲れたーー」 隣に もう一人座る また一人 結局 六人 校庭の真ん中 息を切らして 誰かが言う 「来年も やりたいな」 少し 静かになる 「……卒業やで」 「あ」 全員 笑う [Outro] 夕方 テントを畳む 白線は もう半分消えている 六人で ブルーシートを持つ 「せーの!」 バサッ! 砂が 全部 こっちへ飛んでくる 「うわっ!」 「誰や傾けたん!」 「お前や!」 「俺ちゃう!」 「絶対お前!」 先生 「最後まで うるさいぞ三年二組ーー!」 六人 「はーーーい!」 少し歩く 「あ」 「何?」 「朝の焼きそば」 「まだ言うてんの!?」 「今なら 売ってるんちゃう?」 全員 止まる 顔を見る 走る 先生 「片付け終わってから行けーーー!!」