
デラシネの肖像 Ⅳ - 詩研(しけん)の彼女 - (Remastered)
デラシネの肖像 Ⅳ - 詩研(しけん)の彼女 - 【序文】 この章の主人公は、派手さも波乱も求めません。 ただ、窓辺で本をめくる――それだけの時間に、世界を映しています。 読むあなたも、彼女と同じように、そっと俯瞰してみてください。 その小さな静寂のなかに、愛おしいものがひそんでいることに気づくでしょう。 でも、ホントは誰よりも夢見がちで、素敵な出会いを求めていたりします。 ただ、それができないから、つい「わかってる風な」ポジションにいるだけです。 【本文】 [Intro] [Verse 1] そして誰もいなくなった 引き攣った笑いしか出ないような状況 私以外の部員(みんな)は居なくなってしまった 所謂(いわゆる)サークルクラッシャー 恋煩いという流行り病(やまい)に倒れた 姫様に充(あ)てられた男たち [Verse 2] 羨ましく見ていた 女(おんな)たちは 『不潔』というフィルターを被(かぶ)り 自分を慰(なぐさ)めながら去っていった 姫様(あの子)はたぶんまた戻って来る その時 男たちも半分は戻るだろう 女たちもいずれ折り合いをつける [Chorus] 私はここで 待っているだけ 俯瞰で見たこのサークルはやっぱり 色々と中途半端で それがなぜか愛おしく感じている みんなが戻るのが いつになるか分からない 今日も窓辺で本をめくる 詩研(しけん)の私 [Verse 3] 年の割には色々と聡(さと)いみたい 色恋に心が揺れるわけでもないし 恋愛経験なんて皆無(ない) w 彼氏なんて 生まれてこの方いたこともない w なんとなくこの人はこういう人なんだ 距離とっておこう、なんて躱(かわ)せてるから無事なだけ [Verse 4] ここ(詩篇研究)は陽キャにはなりきれないオタクの溜(た)まり場 恋愛経験が少ないタイプ 私のような皆無な人間の避難先 姫様だって たぶん処… ゲフンゲフン まあ、ウチのサークルの男では靡(なび)くはずもない [Bridge] 先日きた 新入生の男だって やっぱりなんかしらの欠陥を抱えている そういうのが… わかっちゃう もう特殊能力じゃなく もはや呪いレベル たぶん私はこうやって リスク回避の人生を歩んでいく でもね、一寸くらいならトキメキって あっても良いんだけどな キャンパスは危険地帯 色づく者は騙される世界 [Chorus] 私はここで 待っているだけ 俯瞰で見たこのサークルは誰もが 恋愛に不器用なままで だからとても穏やかに過ごしている みんながいつ戻るかなんて、 私には分からないけど 今日も窓辺で本をめくる 詩研(しけん)の守り人として [Outro] 私はここにいる

